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(波が、足もとで。)
うまれたばかりの波の子らが
ころころと笑いあう
くるぶしの
ちいさな砂が
星のかたちの足あとをつけながら
ひそやかにのぼってくる
ふくらはぎの
わすれてし ....
しぶきをかけぬける
ふくらはぎの
まあるい
着水点
夏の鼓膜に
そっと
折りかさなる
六月の
ふやけた骨格を
並べかえる
君は
雨だれに
擬態したまま
あじさいの葉脈 ....
「水の中の六月」
錆びた鉄の味のする手摺を伝って
空っぽの水槽を満たそうとする早朝
浸水された浴槽の縁を滑らないよう歩く
生まれた時から水に溢れていた
「駆け落ち」
....
雨は
大丈夫だから
たぶん
このまま
*
きみと 花の咲くおとを
ききたいな
ふたりで
おだやかな骨格をもつ
春の日だまりに なりたいな
ささやかな い ....