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キラキラ光る夜空の星よ、そんな気はさらさらない
もう死んでしまいたい、そんな気はさらさらない
二度と誰とも恋をしない、そんな気はさらさらない
今日は食べ過ぎた、そんな気はさらさらない
僕は ....
星新一をポケットに、宇宙に出た
窒素酸素二酸化炭素アルゴン
石油が無くなった地球は温暖化し水を奪い合う戦争が起きた
海が陸地を浸食し人類は指の間の皮膚がヒレのようになりつつある
空気中の二酸化 ....
「白紙にむかって歌うんだ」
返事のこない手紙を書くつもりでいい
短冊を前にして何を願えば、誰も傷つけないで済むのだろう
白いホール、病院の入り口に飾られた笹
僕が何も書けないでいると
宝 ....
雨の日が、迎えにやってきた
長靴も傘もカッパもなくて、雨の日に失礼なことをした
みんなは、赤とか青とか黄色とかそんなのになっていった
それで帰っていった
僕には鍵があって、それ ....
グッドモーニング トゥー オール
ねぇきみって、って言うきみって誰のことだい
正直者の花が裂けている
アンラッキーとでも呼べばいいの、きっとあなたもそう
宇宙の前に正座してごらんよ
....
世界を嗅いで生きる方法もあるよって、シロ君が教えてくれた
ジャンケンは67%負けないって言うけど、67%勝てないんだって
だけど、それでも、勝ち負けついちゃう世界だから、ポン、と出されたその手 ....
いついつまでに、なになにを
どこどこいって、だれだれと
なぜなぜときき、どうしても
いつもこうやって生まれる
いつもこうやって生まれてくる
いついつまでに、なになに ....
今日のことは指に任せて
一日のことを愛していく
翌日のため生き残る誰かの声に歌うのだから
さあはじまるよ、と誰かの声で
懐かしさからつくられた美しさに埋もれていないで
日向の集 ....
しずか
と表現された沈黙は
「し」「ず」「か」
と音になって響く
だから
無音であることは
音を飛び越えることは
速さの中にしかない
普段ぬめりついた空気を意識することもな ....
meと鳴く君のことを
追いかけてはいけなくて
つごうの良い、どこか、を僕は選択する
その先はきっと猫の世界
ただその先をじっとみている君の
その視線の先を僕もみている
世界に ....
両腕を広げて
カモメの真似をする
あなたは白く美しい両翼で
柔らかな曲線を描いていく
航空力学が及んでいない
理想的な空気の流れが
あなたの後ろで渦を巻く
僕は数をかぞえ ....
布団を敷いて目を閉じる
床を抜け、土に触れるイメージをする
地球の表面に触れているイメージをする
イメージを実際と摺合せよ
1.7mの自分を立たせているのは
直径12756.2 ....
インクを新しく買ったので印刷に熱中中
言葉が無限に吐き出される
インクがなくならない限り
もう一枚、また一枚
刻むリズムで夢見心地
埋まる、紙と言葉が僕を埋める
空白、部 ....
あなた方の形が白い制服に浮かんでいる
ぼやけた輪郭線とともに
その世界が眩しいことを主張している
きっと僕らもそんな世界にいたんだよ
整えられたあなた方を飲み込んで
同じ方 ....
ここにいてもいい
なんて言葉は卑怯
選択を奪え
ここにいていい
と言葉にしろ
も、がいらない
そんなやさしい主導権はいらない
ここにいなくてもいい
も、も、も
もももももも
ももも ....
ばねをまいたら羽ばたくブリキの飛行模型
月の船に帆をかけて
静かな表を滑っていく
月の裏側には人差し指を立てたウサギ
聞き耳を立てる
パイロットは
ブラックボックスが正常か、と
今120 ....
91
腕が無いから世界で一番美しいなんて言い方ちょっと失礼じゃないかしら、と3m上から彼女が。
92
眠いと言ってここを去ったのに朝を連れてくる君は太陽。
93
空の青さが際立っ ....
虫の歌は小人が教えてまわったの
言葉を介さない言語なの
地球の支配者は昆虫だという人もいる
私も人間が支配者よりはずっと良いように思う
節足で内側から崩れていく
物としてのでき方が人間と真逆 ....
あまりにも刺さるのでそれを取り外す
風が強いのはいつものことで、それはとても痛いのです
こめかみあたりから、あるいは首の後ろから
小人が僕の邪魔をして視界という視界に落書きをした
....
月明かりの下を歩く心細さを
小ささと細さで体現して少女は
そのページを駆けている
周囲を黒く塗りつぶされ
反った指先に可憐さを宿している
この物語を知っている
僕は知っている
この少女を ....
25時というから見逃したテレビを消す
たばこのような都合の良い理由が見つからないままベランダに出てみる
昨日か今朝か
月の世界に人がいるのかと思ったよ
ベガやアルタイルのように
君たちは、ど ....
キーゼルバッハって何?
と君が言う
鼻の中の鼻血が出るところ
チョコレートよりも
サッカーボールよりも
熱いお風呂よりも
ボクシンググローブよりも
君はキーゼルバッハに迷惑をかけていると ....
ゴムひもを足首に結び付けて
真剣な顔をして君が言う
もともと大人になるためにバンジージャンプってあったんだって
さん、にー、いち、バンジー!
って言ったら行くから
君のことが ....
くそくだらない人の恋路を
特急列車が踏み潰す
お腹の減りすぎた少女の頭から
おかしなアンテナが伸びている
食欲と性欲の区別もつかず
リンリンリリンと手の中が鳴る
ウッドベースでも良いけれど ....
Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:
音のしない目覚まし時計に
文字の世界の住人は驚いている
何より
その存在を確認できなかった
人生の目的、主 ....
掴みそこなった言葉の端っこを追いかけて
キーボードを滑る指の滑稽な動き
生まれたばかりの赤ん坊を
どう扱っていいのかわからずに
空中にひらひらとさせているのに似ている
あるいは未来を見つける ....
星の根を聞いて空がゆっくりと微睡む
失われた時間が戻ることはないけれど
星の種がスクリーンに根を張っていく
切り刻むのは現象として見える結果で
無味無臭の意思を配置していくにすぎない
手を鳴 ....
白い肯定が深々と降り
望まれるすべての生き物は
眠りにつく
それ以外の生き物は死んだり
眠る以外の方法で時を過ごしたりする
たとえばジェンガとか
眠らない生き物は
ソファで映画を見た ....
傘をお持ちください
と君が言うので
受け取る
さあ差せばいいじゃないか
と君が言うので
傘を開く
君は満足そうに傘の下に納まる。
夕凪の前に漂う溶けた粘土の身体
ただいま、という言葉を言わなくてよい
そんな自由に
かりん島のここここ鳥という物語を思い出す
殻を破り、あと少しで孵ることができる、というタイミングで
托卵性 ....
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