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名も知らない鳥が空を切り裂いて飛んでいく
(あ、鳥だ)
隣に立っている人が言う
声の無い声
(本当だ、でもあの鳥が何と言うのか私は知らない)
想像空間上の問答
そうだったらロマンチ ....
空に 浮かぶ
心臓の ひとつひとつ は燃焼して
その光の 落穂 から 聞こえる リズム
確かに 囁き 唄う
あたしは あの声を 聞いていた
一 ....
人間の心臓には
部屋がいくつあるのだろう
あたしは今日も 生まれたんだ
小さな部屋の中に
身体の中で
赤く
動いて
....
あたためて 少しだけ
おかしいでしょ こんなのは
あたしはあたししか愛していないって
誰が言うの
あたためてよ 冷たい毛布
壊れる少し前に望んだ空の色が
煤 ....
絶え間なく 揺れ動く 空間
絶え間なく 生まれ変わる 情熱
一秒一秒 どの時も 細切れの時間の中に
産み落とされては 腐っていく 感情
ほら また生まれて
泡のよ ....
ねえ 聞いてよ
とても素敵な 夢を見たの
上手くは まだ言えない けれど
あの ただひたすら続く 心地よい 感触
ああ ね あたしは 一人の 人間で
それでも 良く ....
窓を 開けて
雨雲が 遅れた子供の 手を引いて
流れて 行くよ
短い 指で 数えた 夢は
濡らされて 確かな物など なくなった
外は 声枯らしの 風が 吹いている
....
手つなぎ鬼がぐるぐるまわってこっち見て笑う
鬼はどちらかなんて分からないと答えると
かけた歯を見せてうれしそうに笑う
ぼくにはそれがとても無邪気に思えた
鬼さんこちら手の鳴る方へ
小 ....
夜が色彩を放ちながら
あめふらしを待っている
鍵をなくされた僕は
近づいても遠ざかっても
同じ場所にいる
牛の頭骨をかぶった
悪魔が迎えに来るよ
君と同じ足取りとそのテンポ
ゆ ....
たくさんの人が食事をしている
僕はテーブルの下で這い蹲って
様子を伺う
海の向こう側の食物が海のこっち
側の人の口に入っていく
・・・・なんておぞましい光景!
ムーミンのママだ ....
泡と塗れる事に嘯き覚えて
僕が去っていった日曜日に
汚れた流線型が降り積もる肌に
華奢なライン真似て空が繋いでいく
プラスチックみたいなリズム
音がまねて吐き出す雲の中で
わずかな音は ....
視線の低い僕に繋がれた
のんびり足先まで溶け出す夕暮れと
女の子の目は右に左にゆれだすのが
振り子みたいだと僕は思ったり
たとえばあの踏切の手前に出来ていた
水溜りが死刑囚をモチーフにした絵 ....