すべてのおすすめ
旅をしたい
計画のあるものではなく
行きたいと思った時から
電車に乗っている
どこで降りるのか
わからないけれど
どこか遠くへ行ってみたい
旅をしたい
目的のあるものではなく
感 ....
冬の大雨の日
どこからともなく
ノラ猫は家の庭にやってきた
近所では名の知れた
図々しく生きるヤツらしい
汚いから触るなと
大人は子どもに言い聞かす
力を失いかけながらも
木の ....
山があって
雲があって
夢がある
僕がいて
君がいて
夢がある
空があって
星があって
夢がある
僕が生きて
君が生きて
夢がふくらむ
とても単純なこと
とて ....
結果のために
努力することと
努力のために
結果を残すことは
一つのループになる
目標のために
努力することと
努力のために
目標をつくることも
一つのループとなる
初めは ....
不思議だった
いつものオリオン座が
いつもよりも綺麗だった
寒い夜だというのに
しばらくの間
その輝きを見つめていた
不思議だった
いつもの霜柱が
いつもよりも美しかった
冷たい ....
閉ざされた森の中
高くそびえる大木を見上げると
雲一つない青空がある
空に上っているのか
空に沈んでゆくのか
もはや見分けがつかない
一羽の鳥が空を横切る
自分が見上げているのか
....
机の引き出しの奥に
わずかばかりの
どこにでもある土の入った袋
これがふるさと
都会のコンクリートの中の
ほんの少しのふるさと
自分が生まれ育った土
袋を開けると
ふるさとの匂 ....
青い冬空透き通る
沢の{ルビ辺=べ}歩くその音は
見渡す空の声となり
孤独を忘れる時となる
白い{ルビ川水=かわみず}清らなる
峠を越えるその風は
鳥を寄せ呼ぶ歌となり
勇気を与える ....
初めてこの道を通ったとき
小さな花が咲いていることに
気がつかなかった
初めてこの道を通ったとき
向こうから歩いてくる人が
君だったことに
気がつかなかった
初めてこの道を通った ....
君が疲れきっているのは
ずっと走ってきたから
君が泣いているのは
ずっと戦ってきたから
君が落ち込んでいるのは
ずっと努力してきたから
君が笑っているのは
ずっと耐え続けてき ....
いつの頃からか
人は言葉を読むことから
言葉を見るようになった
歩きながら
食べながら
話しながら
読む言葉から
見る言葉へと変わっていった
布団の中でも
地下の中でも
....
川から流れる清らな音が
侘しさと寂しさを
心に響かせ
山から吹く冷たい風が
静けさと悲しさを
心に染み込ませる
いつもと変わらぬ
その時の景色には
どこか遠い思い出を
蘇らせ ....
長い長い階段を
ずっと一人で上っていくと
大きな広場が
目の前に広がっている
そこでは言葉たちが
浮いたり飛んでいたり
大きかったり微かだったり
言葉と人が当たったり
言葉と言 ....
遥か遠い昔
この海は空だった
雲の上を魚が泳いでいた
魚たちはいつも
海を見下ろしていた
遥か遠い昔
この空は海だった
水の中を鳥が飛んでいた
鳥たちはいつも
空を見上げていた
....
なぜこんなにも
何もできない自分がいるのだろう
がんばれば
多くのことができるというのに
なぜこんなにも
何もしない自分がいるのだろう
やりたいことが
たくさんあるというのに
....
前を向いて歩きたい
自分だけの長い道のりが
ずっとずっと終わることなく
ゴールは見えない
歩かなければ
風が背中を押してくる
いや
何かが背中を押してくる
前を向いて進みたい
自 ....
昨日の記憶は新しいけれど
たくさんありすぎて
何が美しかったのか
すぐには見つからない
激しい記憶は勇ましいけれど
勢いが速すぎて
何が鼓動を高まらせたのか
すぐには出てこない
....
雨が止んだので
図書館に行きました
誰が書いたのか
忘れてしまいましたが
旅行記に読み耽っていたことは
覚えています
雨が止んだので
靴屋に行きました
どこの会社の製品なのか
覚 ....
四角いビルの建物が
窮屈なので
海を見に行きました
岩がビルの尖った角を
削ってくれました
パソコンデスクが
狭いので
海を見に行きました
波がキーの叩く音を
飲み込んでくれまし ....
銀色の風が
大地を鳴らしながら
通り過ぎてゆく
その音は
眠っていた自分の何かを
覚まさせ
体内を駆け巡る
灰色の雲が
大空を渡りながら
広がってゆく
その塊は
横た ....
もうすぐ寒くなるというのに
数人がかりで
髪の毛をぽんぽん抜き取って
大きな車に詰め込んで
あっという間に
丸刈りにされてしまった
みずみずしくふさふさだった
髪の毛がなくなって
....
丸い時計の秒針が
一つ一つ時を刻んでゆく
どの一秒も同じ時間
その一秒の中に
綺麗に染まった紅葉の林を
歩いている自分がいる
その一秒の中に
ありがとう
と言われる自分がいる
....
とにかく上に進むこと
蟻地獄のように
もがけばもがくほど
下がってしまうこともあるけれど
きっと何かをつかめるはずだから
悲しくても
続けてゆくしかない
とにかく前に進むこと
迷路 ....
微かに薄い雲の
漂う空が秋になっていたので
できるだけいっぱいに
四角に切り抜いて
箱の一面に貼り付けて
森へ行こう
こおろぎが鳴く
葉の色が秋になっていたので
できるだけいっぱい ....
いつしか子どもたちは
走り方を忘れていった
いつしか大人たちも
走らせ方を忘れていった
走ることの大切さよりも
走ることの危険さが
叫ばれるようになった
走ることによって
強くなっ ....
小学生の時だった
詩を書こうと思ったら
まずはおまじない
ぽえむかんすう
ぽえむふぁんくしょん
ぴぃはえすとえいちのかんすう
ぴぃはぽえむ
えすはじょうけい
えいちはしんじょう
....
この世に生まれたときから
自分という列車が動き出す
時間というレールの上を
一秒ごとに走り続ける
過去は思い出
振り返ることはできても
戻ることは許されない
未来は追いつけ ....
いつの頃からそうなのか
わからないけれど
物心がついた時から
ぼくの家には屋根がない
どうしてなのと
親に聞いたら
そういうものだと諭された
友達の家にも
遊びに行くお店にも
....
畑の真ん中から
どっしりと重い夏をもいで
両手で抱えた
なんだか地球を抱えている
そんな気がした
畑の真ん中から
重い夏を汗を流しながら運んで
丸い大きな宇宙の中にそっと入れた
....
ひっそりとした山の中に
一筋の銀色の水が
きらきらと輝きを放ちながら
そばに開く大きな葉に
花を咲かせるように
静かに脈をうつ
時折り光が流れの中で止まり
うたかたとともに消えてゆく ....
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