すべてのおすすめ
かなしい雨
細糸の雫を見つめる双生の水晶体
いつか止むのだろうか
あの鈴の音が空へ駆け上がったなら
乾きは喉に集約され
無上の必然を照らし出す
許されること その贖罪を見据えなければ
無 ....
両の手の平に抱かれる宇宙
手からはそれを引きつけ、また離す力が充てられるから
楕円形をした宇宙は落ちることなく、ふわふわと手の間をおよぐ
頭(こうべ)から髪が抜け落ちるように
....
長い旅路だった
絶望の灯火を燃やさねば
死すら受け入れがたい道を
ただ歩いて
私は太陽に触れる
命の限界を超えて愛するは
その代償も大きく
喜びと苦痛は何処で結ばれ輪になるの ....
秋の夜の先端が月に届き
丸い円の中心から滴り落ちる雨粒が枝葉を揺する
遠く近く震わせる鈴虫の唱和に
一際大きく腹をこする一匹の独唱
寒気にさらされ弱りゆく命を一心に鳴らし
鈴虫は何を ....