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透明な
沢山の唾液を
己の弦に着けて
震えた空を
優しく眺める
ぬらぬらと
赤光は髪を染め
純粋な声が
遠くに吸い込まれた
静かに行われる
養分の脈動は
椅子を愛した ....
いつまで経っても動くことのない
「もう一度」
を求めながら
僕は夢遊病者のように歩くよ
てとてと、と踏んだ畳には
陽にやけた跡が真新しく
そこにあったある物を思い出させた
....
ココ・ド・コード
充電中のケータイも 起動中のパソコンも
ウォークマン中の僕も
コードで世界とつながっていて
世界は 壁の向こうの記憶と つながっていて
記憶は その向 ....
いつのまにか
溶け込んでいた、世界と
私との接着面に
体温計をさしてみる
ゆっくりと
開いた手のひらと
大気との間
握ることはせず
また、摘まむこともない
少しずつ ....