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日だまりに停車してある軽トラできらきら光るホットサイダー
おじいちゃん早く渡りな大丈夫道路は三途の川じゃないから
祝日に国旗を掲げる家なくて家主の世代交代思う
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海岸線沿って定規で空を引く色鉛筆で画け得ぬ青
深く深い場所まで熱せられていくオーバーヒート前の打ち水
おしなべて心を乱す約束と雲の行方をだれも知らない
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標識は海それだけを手がかりにギアはトップで{ルビ夏風疾走=サマーラナウェイ}
かざなぎでアクアスカイに叫ぶとき見えていたんだ白きクラック
無人駅いつから来ない夢列車ココナツの浜 ....
短冊の白まぶしくて愛の字を書けないままに無地で結んだ
黄色がいい君が選んだ一枚は願いじゃなくて歌をつづろう
霧雨に耐える紙縒(こより)が話さない青の祈りは「海にあいたい」
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透き通るガラスの惑い指でなぞり
雨をみていた心おちいて
白い足走り去る朝つかのまの
雨をみていた虹を待つまま
紫陽花の肌の静けさこぼれゆく
雨をみてい ....
{ルビ静寂=しじま}からもの憂き雨が貫けど
破れる夢もない熱帯夜
曼珠沙華かさなる闇に{ルビ咲乱=さくらん}す
狂おしいまま抱く情に似て
熱き夜に悶える ....
『おはよう』と
交わす言葉に
込み上げる
今日の愛しさ
噛み締め生きる
『また明日』
あると信じて
別れてく
沸き上がりくる
寂しさ隠し
突然の激しい雨に言葉切り
雨戸を閉めた君の白腕
さぁさぁと静寂の中に衣擦れと
息遣いのみ聞いている午後
まだ止まぬ長雨の中見送られ
しぐれ柳をくぐりて走る
神哭きて
割れんばかりに
響いては
涙滴り
大地を濡らす
刻経りて
涙は尽きて
笑い出す
陽の優しさに
虹を返して
日日に緑深まる狭庭辺に今朝は蛙の鳴き声がする
さきほども小雨降りいた表通り人の声して雀飛び交う
グリーグのペール・ギュントを聴きつつも紫陽花の絵をじっと見るとき
また鳩が一声 ....
「アリュール」
{ルビ汚=けが}れならば五月雨川に流せりと誘ふその手は{ルビ梔子=くちなし}に似て
「ブラック」
黒髪に触れし指先奏づるは重なる肌のあつき旋律
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恋の道 照らすかのよう 月明かり ためいきさえも いと柔らかに
道すがら 出会った二人 ときめいて この一瞬が 永遠にと願ふ
優しかれ 涙はすべてを 許します 闇に小さく きらりと ....
家も無く
吾を知る者も
今は莫し
根無し草とぞ
人は言ふらむ
風荒ぶ
夜の旅路に
光差す
命の灯火
いざ、行きめやも
黎明に
はためく翼は
輝きて
火の粉振り ....
【愛してる】
これ以外では表せず
君に捧げる五文字の心
友愛と恋の違いを知り得ずに
ただ愛だけが心を占めた
世界中誰に聞いてもわからない
【愛】の意味は自ら生み出す
加茂川に降る雨と共に昭和逝く
何時もと変わらぬ景色まぶしく
編隊のかたちに鴉帰りゆく平成となる日の夕空を
永かりし昭和の御代も終焉となりて
小雨降る 夜となりけり
親しめぬ言 ....
水暗きなかに閃光突き刺さるまじわる場所は色彩なき場所
青春の色彩すでに忘れたり鳥飛び立てる後の静けさ
掌にあまる白桃まだ知らぬ空の色彩抱きて帰らむ
あいねがい
たえぬこころも
なくなくと
さらにながるる
みずからそらへ
誘われて
親元はなれ
駆け出した
風の向くまま
行方は知らず
降りたった
土壌は堅く
独りきり
見知らぬ土地に
不安を覚え
この土地に
深く根差した
モノとなり
大志 ....