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いまからおれは
ナスのことを話す
乳白色のレジ袋の中
群れをなすナス
おれはナスに仇なす者
包丁の鈍い光
ナスのヘタ切り離す
輪切り
乱切り
半月切り
水にさらす
もはや ....
思い出し笑いを
小さな箱に詰め込んだら
いつかのクリスマスプレゼントの
きれいなリボンで飾ってあげる
右手には甘いキャンディ
左手には苦いチョコレート
どっちもあげない
どっちもあげ ....
東京に来ると
いつも雨降りでうんざりする
駅前のコンビニで買った
乳白色のビニール傘に
雨粒がボトボトと落ちてくる
東京メトロ
丸の内線で一駅
銀座まで
その短い時間でメールを ....
目
永遠に
閉じる日が来ても
耳は
絶対に閉じないでいて
わたしの声を
受け容れていて
肩越しに過ぎてゆく
景色の速さに
その
狂おしいほどの
純粋さでしがみついて
....
胸騒ぎがするので
メリークリスマスと
小さな声でつぶやいてみた
すると
それが合図だったかのように
リンゴが枝から落ちる
落ちたら
すぐに
腐ってしまう
それはいつものこと
....