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今赤き風船ひとつきみの手をはなれ空へと浮気なぼくら
胎動を促すごとく数々の伏線蜘蛛の巣顔にかぶれば
ソヴィエトで焚き火にあたっている少女大陸横断鉄道の窓
金魚鉢のふちで指 ....
今青き蛇の抜け殻くぐりぬけ廃墟のごとき雨の降るかも
コスモスの群がる丘で赤と青 少年少女が燃やすむらさき
錆び付いたあなたが今夜もあらわれて僕のくちびる噛んでさよなら
降 ....
死火山に松明投げるかのごとくあなたが閉ざした扉をひらく
灯台の下で探すが見つからぬ懐中電灯を持ちしあなたが
ふたりしてベンチに座りブランコの鳴き声などを聞いた十月
畑には ....
いつまでもそうやってそこにいなさいかみさまとみんなはあなたを呼んでいるけど
まだ誰も知らない土地でひっそりと虹の種など埋める秋の夜
悪だくみしてもいいけどもう二度と砂のお城は作れな ....
罪の森きみの手を取り「逃げよう」と言った途端に僕も罪人
森のなか追いかけごっこふたりして迷い込んだねもうひとつの森
瓶詰めの蝶を埋めます木の根元「飛び立つものはすべて埋めます」
....
煙草を灰にするように
死に体の鴉たちが一斉に飛び立ったので
空が夜みたい
狭い空ばかり見ていたから
わからなくなるのです
こんなとき
天井がもうきついそうなので
僕は唾を飲み込んで
君 ....
縁側で闇を見ている妹の白いうなじが僕を呼んでる
夏野山汗ばみながら駆けてゆくゆくえふめいの妹の兄
鉄塔の錆びた階段昇りゆく100階したから姉とは呼べづ
鏡台に映る妹べにを ....
痙攣している右手で
聞いたこともない山々や
見たこともない街並みを描く君
僕はくだらない登山家として描かれ
どんな街並みなのか見ることもなく
いつまでも登り続けている
だけど君の手が震えて ....