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春、という実感もないまま
海を泳ぐ
わずかに持ちあがった
二の腕から滴る光に
戸惑う
掻き寄せるものは
どれも曖昧な痛みばかりで
だいじょうぶ、と
支える声は
生え変わったばかり ....
雨雲が忙しなく押し寄せて
射し 歪む 光の空
ケイコウトウの如く怪しげな
雷の前兆
家々が粗雑に窓を閉め
その響きに面をあげた
私以外の全てが
ヒューヒューと流れる
一 ....
「カワイイ」って言っても えぇやん！
「カワイイ」ぐらい！
「愛してる」は おまえにしかって言ってないんだぞ！
妬くな！
あの緑陰に佇んでみたものは
光るまちだったのか 雲の流れになぞらえ
かすかに形を変えてゆく思いなのか
今はもう分からない黄昏に包まれる
やるせない影ばかりがのびて 路に夕べに
項垂れ ....
白状しよう
わたしはモテたい
白状しよう
あまり美味しくない
白状しよう
早く帰りたい
白状しよう
その話はもう聞いた
白状しよう
あんたはそんなに ....
声聞くと安心して眠くなって
電話の向こうとこっちでお互いあくび
なんかα波でてるんだよなぁって
しばし沈黙を共有
貴方が其処に生きていることを
知ることが出来るから電話が好きにな ....
毎日絶え間ない頭痛で
世界に膜が張り歪む
堕ちた先に在る温もりは
紛れもない僕のもの
布団に包まって溜息
じわり拡がる体温だけで
幸福を孕んでいるかのよう
今日も生きている
続 ....
