片方の眼が見えないと知ったのは母が泣くからだった  《わたしのせい、わたしのせい、》母のよなよなすすり泣きとあれはおまえのせいじゃないよ、父のなだめだけが手がかり 生温い右眼が見えない理由はミス .... 瞬間は永遠。なんて
詐欺師のような言葉を
知ってしまったばかりに
僕は、日々の過ぎ去る風景の
夥しい原色を水で薄める
さみしい習慣病に
罹ってしまったのかもしれない

輝くばかりのもの ....
いなくなった
椅子が、あった
主は不在なのか、と尋ねられれば
沈黙して笑う、程度のことしか出来なかった

混ざり合った
分からなくなった
人は混ざってしまうもの、らしい
心の、底辺の垣 ....
ことしも
うみのむこうから
かなうことのない
えんきょりれんあいのとちゅうで
ぐうぜんりょうしのあみにかかり
しょくたくへと
ぐちをこぼしにでも
やってきたはずなのに
あいさつもなく
 ....
ふかづめした指でガラス引っ掻き鏡の向こうのカラスいじめる。

耳をとじた兎を追ってじうじうと蛇が背骨をのぼってゆく。

ひとしれずざりざりと腕に生えたうろこ包丁 ....
ほどなく
空は なだめるように
いくどかのまばたきをした
何度目かの夏
もうすぐ花柄の猫たちが
砂丘のほしに
帰ってゆく

波の音
水平にひろがる
君のこきゅうと 両腕
ほど ....
ゆうひと呼ぶには余りにも始まりに似て

さざめきと呼ぶには余りにも産声高く

かさぶたと呼ぶには余りにも赤すぎた


野原は金色の笑みをたたえる


何故立ち止まってはいけないのだ ....
冷たいくちびるが薄く開いて
なにか小さく歌うのだけれど
柔らかなはずである旋律はどこか遠く
森の中に消えてしまっているようで
やけに静かだった

{引用=たゆたう水
呼吸を忘れる前に花弁 ....
病院で診てもらったら
うどんこ病にかかっていました
お医者さんは
専門じゃないので、と言って
生花店の名刺をくれました



お店のひとは
ぬれた脱脂綿で
手のひらを優しくぬぐって ....
紡ぎ方を忘れた鳥は、手のひらに何を刻めばいいのか
温度差、呼吸の深い、遠い
渡ることの出来なくなってしまった彼らを
僕らは繋ぐことで
   (手のひらだったのか、どうか)
          ....
夜を走る
列車から覗く風景は
何もかも止まっているようで
少しばかり
眠ってしまっても
あしたには
間にあいそうだったから

夜を走る
光の羅列は
枕元を通り過ぎて
ずっと知らな ....
おおむぎの穂が、ゆれてる
ひかりやかげに、ゆっくりとけて
ぼやぼや、いまにもきえてしまいそうなくらい
クロード・モネのえ、みたいに
ぼくら、ぼやぼやしている


ぼくら、相田 ....
ステーキが食いたいので
だれかおごってください

えーとだから
とりあえずぼくは
ぼくの詩は
詩みたいなものは
肥溜めの糞でもいいのです
それにたかる糞バエでもいいのです
そのハエが ....
朝起きて冷蔵庫を開けたら
祖母が入っていた

さみくてさみくてなんだかも
生ぎてぐのがいやんなっちま
なんて言うので
そんなに寒いのなら
もう死んでしまったっていいんじゃない
と思った ....
 常口アトムの綺麗なお姉さんにアパートの一室を紹介され連れてきてもらった
 3月は雪解けが激しく 道路はぐちゃぐちゃで いたる屋根から水滴がこぼれ落ちていた
 西日が部屋全体に入ってきていて 大き ....
「シエスタ」





ふたりでシエスタ
手をつないで眠る
肩が重なるくらい
寝息が前髪を揺らす、くらい


ぼくら同位置に同時存在できない
だからせめて、出来るだけ近くで
 ....
ただしいこと
どこへ つなげていこう とも

わたしは わたしの
かなしみで めいいっぱいで
あなたは あなたの
こころを ひょうげんできないまま

とおりすぎて

あれから  ....
ひとりぼっちの
ぼくは
そっと
かなしみを覚えます。
キーボードをカタカタと叩いて
あいのうたをつくります。
きみだけにこっそり孤独を
伝えます。


ひとりぼっちでない
ぼくは ....
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