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愛されてアイスクリームは溶けるまで

生きるため乗りこむ船よ浮草よ

ふろしきに包まれしものの声を聞く

地図になき地を吹く風との対話あり

野に蒔いた手品の種の発芽待つ

アラー ....
桜散りすでに秋の風たちぬ

にせもののあなたと過ごした月見草

朝顔のつるに巻かれし夏の園

脱皮した蝉のぬけがら捨てられず

キセルしてまでも行きたい終着駅

靴底に見つけた春の ....
 人がだめになっていく様は美しい。悲劇のヒーロー、ヒロインには涙し、身近の悲劇には鈍感な仕合せ者の、ものごとの真理を見抜けない盲目に、わたしは辟易する。現実の退廃には目を伏し、幻影の希望だけを見つめ、 .... 誰かを見つめることが
好きなひとは
その誰かを失うと
失った誰かと
おなじ背中をさがす

誰かに見つめられることが
好きなひとは
その誰かを失うと
失った誰かと
おなじ眼差しをさが ....
世界は
ビリジアンの森
流れる
コバルトの川底
私は
クリームのカゲロウ
立ちつくし
バーントシェンナの岩
見上げてばかりの
マーマレードの木漏れ日
どっかで聞いた名前だな
とだけ言って
すでにその名前を思い出している

どっかで聞いた名前だな
とだけ言って
相手の今の暮らしぶりを想像している

どっかで聞いた名前だな
 ....
泳ぐ空どこまで行っても泳ぐ空

水平線こえた世界が知りたくて

木漏れ日よそこに私はおりませぬ

麦藁帽編み目の数の夕まぐれ

思い出に暮らすが我が生きた証

いつの日か小さい緋鯉 ....
王子よ
今夜が最後の晩餐と思え

私は王子を
最初で最後かもしれない
戦いへ導いた

勝てるのか負けるのかは
わからない

しかしこのような経験をせずに
いずれ王位を継ぐことは困 ....
夢は 走る

清らかに 鮮やかに
初々しく 若さにまかせ
たくましく 力強く
加速度を上げていき
速く 速く
地球を 一秒間に 七まわり半の
スピードで やがて
夢は  ....
二日続けて
カレーを食べた
やっぱりカレーが
うまいな
ふいに
だれかの
口癖が出た
明日もカレーを
食べるかもしれない
信号が
青になって
恋は
はじまる

青の喜びは
ひとときの
幸せ

やがて
黄色になって
危険信号

赤になって
恋は
終わる

右から
左から
いくつもの
 ....
通夜の式場に行くと
亡くなったそのひとが
よく来たね
と、待ってくれているような
気がしてくる

式を終えて会食していると
亡くなったそのひとが
まあ飲めや
と、ビールをついでくれそ ....
田んぼの お空に グライダー
さぞかし 気持ち よいだろな

田んぼの お空に グライダー
田んぼは どのよに 見えるかな

湖みたいに 見えるかな
小さく かがんで 田植えする  ....
さよなら言わずに引っ越した
あの子のおうちのお庭には
たんぽぽみっつ咲いてるの
さよなら言わずにたんぽぽも
綿毛になってとんでくの
古家の壁かすかなためいき風と化しこの手触りに思い伝えし 今日あなたが
髪型を変えていたので
私の胸はときめいた

土星の輪っかみたいな髪型
こっけいでなつかしい髪型
無垢で可愛らしい髪型
愛していた髪型

最近惑星から除名された
冥王星 ....
店内の
モーツアルトのBGMが
私の聴覚を虜にして
友人の言葉が耳に入らない

窓の外の
通りを歩く人々の営みが
私の視覚を虜にして
友人の顔が目に入らない

いま目の前にある
 ....
捨てられた公園の
捨てられたベンチに座っている
捨てられたひと

捨てられた思い出の
捨てられた世界に生きている
捨てられたひと

かくれんぼの時
最後の最後までみつからなくて
つ ....
あの日の雨は
小さな川になりました
ときどき私はその川へ行き
釣りをします
ときどき私はその川で
見たこともない美しい
小さな魚を釣ります
私は家の水槽で
その魚を飼います
しかしな ....
いろんなひとの
いろんな種類の
いろんな引力にひっぱられ
自分が自分でなくなってゆく
からだの底深く私は
コアに力をこめて
自分が自分であろうとする
なつかしい
あの日の朝を
少し色褪せた
あの日の朝を
キャンバスに
あざやかに
描いたような朝
鳥の声だけが
あの日のままの
言うに言えないことがあって
親友たちに相談しても
そのひとことだけが言えなくて
言えるとしたら
その相手とはすなわち
あなたではない誰か

そっちに行くのはめんどうで
それでも行きたい ....
恋をしているひとは
強い匂いを発している

ところが
恋をしているはずなのに
匂いを発しないひとも稀にいる

心のどこかに多少嘘があるとか
思った以上に相手に正直になれていないとか
 ....
軽い気持ちで家出して
ほんの少しだけ楽しんで
それだけだったのに
帰るに帰れなくなって

あの家に帰りたい
今すぐ帰りたい
父の厳しさと
母の愛が待つ家に

などという昔の歌のBG ....
コーヒーとミルクを混ぜると
カフェ・オ・レになる

コーヒーだけでは味わえない
ミルクだけでも味わえない
おいしい飲み物になる

カフェ・オ・レを
コーヒーとミルクに分けるには
化学 ....
有扉なぎささんの小川 葉さんおすすめリスト(25)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
浮草- 小川 葉俳句7*07-5-8
押し花- 小川 葉俳句10*07-5-7
真実- 小川 葉未詩・独白3*07-5-7
ループ- 小川 葉自由詩6*07-5-7
夢みる頃- 小川 葉自由詩3*07-5-6
名前- 小川 葉自由詩3*07-5-6
こどもの日- 小川 葉俳句6*07-5-6
こどもの日- 小川 葉自由詩3*07-5-6
旅の末- 小川 葉自由詩607-5-4
口癖- 小川 葉自由詩307-5-4
信号- 小川 葉自由詩4*07-5-4
通夜- 小川 葉自由詩4*07-5-3
田植え- 小川 葉自由詩2*07-5-3
たんぽぽの親子- 小川 葉自由詩9*07-5-3
- 小川 葉短歌3*07-5-2
冥王星- 小川 葉自由詩4*07-5-1
シックスセンス- 小川 葉自由詩207-5-1
捨てられたひと- 小川 葉自由詩507-4-30
- 小川 葉自由詩707-4-29
惑星- 小川 葉自由詩307-4-28
- 小川 葉自由詩407-4-28
春の種- 小川 葉自由詩307-4-27
匂い- 小川 葉自由詩807-4-26
家出- 小川 葉自由詩307-4-25
カフェ・オ・レ- 小川 葉自由詩3*07-4-18

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