すべてのおすすめ
今朝

うぐいすの声をきいた

誰かが

空の窓をあけた
夢のなかの
無口な祖父のように
窓が
そっと近づいてくることがある


いつも同じ景色ばかり見ている
だから
無表情のままで
風のような息をしている


私は窓を見る
いや  ....
空の
一日が崩れてゆくあたり
もういいやとばかり
投げ出されてしまった光の欠片

渚のように引いてゆく
煙のように戸惑っている
燃えつきる
その一瞬をつかもうとして競った
ぼくらは
 ....
ちいさな電車だった
いくつも風景をやり過ごした

乗客はいつも決まっている
新聞のにおいのする父と
たまねぎのにおいがする母
シャンプーくさい妹と
無臭のぼく

電車ごっこの紐は
 ....
あの高い木のてっぺんにいるのは
多分ぼくだ
ぼくの知らないぼくだ

忘れていたのかもしれない
ぼくがすっかり忘れていたぼくなのだ
だから懐かしい

ぼくは手を振った
だがそいつは
 ....
いちまいにまいと
うすい花びらを放ちながら
わたしたち
星になりましたね

あなたに教わった
カタカナの星の名前は
異国を旅するようでさみしいです

星のように
輝くことはできない ....
水になろうとするように
魚が魚のかたちで泳いでいる
そんな潮溜まりでは
生きものの群れがまばゆいという


空を仰ぐひとは
吐息ほどの
祈りの水を浮力にかえようとする
浮いては沈む
 ....
夏は
山がすこし高くなる
祖父は麦藁帽子をとって頭をかいた


わしには何もないきに
あん山ば
おまえにやっとよ


そんな話を彼女にしたら
彼女の耳の中には海があると言った
 ....
僕の手が
僕の指が
父の手にみえることがある

どこからか父の
僕を呼ぶ大きな声がきこえてくる
指さす先には誰もいない
声だけが耳に残る

七年ぶりに
父の洋服ダンスを開けた
 ....
初潮という言葉と海とのつながりとかを
ぼんやりと考えていた頃に
おまえの家は紙の家だとからかわれ
私は学校へ行けなくなった

私は紙のにおいが好きだった
鼻をかむ時のティッシュのに ....
小川 葉さんのyo-yoさんおすすめリスト(40)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
どこかで誰かが- yo-yo自由詩8*08-2-22
- yo-yo自由詩7*08-2-15
夕焼けマジック- yo-yo自由詩10*07-11-2
電車ごっこ- yo-yo自由詩8*07-10-12
木の物語- yo-yo自由詩6*07-10-5
コスモス- yo-yo自由詩8*07-9-21
かたわらに魚のかなしみ- yo-yo自由詩14*07-8-31
つくつくぼうし- yo-yo自由詩23*07-8-17
- yo-yo自由詩10*07-5-4
ペーパーホーム- yo-yo自由詩9*05-5-25

Home 戻る 最新へ
1 2 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する