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かつて潔く閉じた手紙は風を巡り
伏せられていた暦が息吹きはじめている

朽ちた扉を貫く光は
草の海を素足で歩く確かさで
白紙のページに文字を刻みはじめ
陽炎が去った午後に、わたし ....
シオリちゃんは わたしを見つけるといつも
はじめまして、と言う
わたしも はじめまして、と言う

たくさんいっしょに遊んでも
次の日には わたしのことを覚えていない
でもシオリち ....
私たちは互いを必要としながら
それぞれの場所で夕陽を眺め
明日の湿度を欲しがり飲み込む振りをする

あなたと私は
埋もれてしまったいつかの夏に
栞を置いたままかもしれない
そ ....
擦り切れている背表紙を
後生大事に持ち歩く
付箋に躓くことを繰り返してしまった

左手には一束のシャレード
紐解いている間に
夏の森は
微笑や涙やトキメキを頬張って
色彩を奏ではじめて ....
君は
君の家に入らない

雨が降っているというのに
軒下の風を嗅いで前足を舐めている

私の上には屋根があるので
髪に降るよりも
雨は、
硬質な響きで
音の羅列を渉っていく

 ....
Porterさんの藤丘 香子さんおすすめリスト(5)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
日付を打たない手紙- 藤丘 香 ...自由詩63+*07-9-1
シオリちゃん- 藤丘 香 ...自由詩58+*07-6-22
私たちの欠落(夏の日の)- 藤丘 香 ...自由詩45*07-5-23
夏の鍵盤- 藤丘 香 ...自由詩42*07-4-30
雨の犬- 藤丘 香 ...自由詩43*07-4-18

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