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頭が少々重く
風邪気味であったので
目覚まし時計をかけずに
ゆっくりと眠ることにした
そのままうっかり百年間眠ってしまった
百年後の人類は
ファッションや顔色が少しおかしくなっただ ....
アルルの丘でゴッホとゴーギャンが相撲を取り
圧勝したゴーギャンが呵々大笑する
電車を待つ間、そんな詩を手帖に書いていた老詩人は
だんだんとゴッホが可哀想になってきたので
それまで書いてきた十四 ....
爽やかに吹く風
そよそよと吹く風
または暴風
果ては台風までを手づかみでちぎりとり
乱暴に白いキャンバスに貼り付けて
「これがほんとの風景画」
などとのたまうじいさんがいる
....
最寄り駅にあるキヨスクでは
店員のおばちゃんが詩集を売っている
おばちゃんの書いた詩や
駅員の書いた詩や
ホームの柱に落書きされていた誰かの詩が
そこには載っている
地域住民の出した詩 ....
百年前、砂浜に寝そべっていたら
「カニだー」と言いながら幼女がわたしをつまみ上げた
「カニじゃない!」と一喝すると
幼女は両親の元へ泣きながら戻っていった
怒らなくても良かったかな、と少し反省 ....
「悲しい」と女が言うので
僕が代わりにに泣いてやった
「故郷へ帰りたい」と女が言うので
僕が一人で女の実家を訪ねてやった
「子供を産みたい」と女が言うので
僕が代わりに産んでやった
....
西日が射している
ヒバリが飛んでいる
あ、誰か来た
青い屋根と黄色い屋根の上に
星が落ちました
僕の家の屋根は白いです
腕時計を買ってもらった
子供がはしゃいで
腕をぶんぶ ....