すべてのおすすめ
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コンバインが
おもちゃのように点々と
そこここに配置され
軽トラックが
ちゃかちゃかと走る
収穫の秋がきた
辺りには喜びが
薄い金色に色づいて漂って ....
部屋で一人飲むビールは、まずい
いや、まずいと言ったら極端だがあまりおいしくない
ビールの真のおいしさとは
仕事の後の解放感とか何かをやり遂げた時の達成感とか
野外でスポーツやライヴを観る楽し ....
今まで黙っていたけど僕はイケメンです
突っ込まないで下さい 突っ込みは後で受け付けますから
皆さんここは黙って僕をイケメンと認めて下さい
今日だけ僕をイケメンってことにして下さい
一度やってみ ....
庭に雑踏が茂っていた
耳をそばだてれば
信号機の変わる音や
人の間違える声も聞こえた
ふと夏の朝
熱いものが
僕の体を貫いていった
雑踏は燃え尽きた
かもしれないが
庭 ....
夏
森には緑が生い茂る
その中のたった一枚の葉
その葉がなくとも
森は揺るぎないだろう
でも
その一枚の葉が
一枚の葉になるまで
どれだけ過程があるのだろう
その一枚にも
命が通っ ....
久し振りの友に電話をかけた
女が出た
「現在使われておりません」
と言われた
冷たい声だった
だからせめて 自分だけは読んであげよう
自虐もお道化もせずに 目を細めて
誰にも知らせず、誰にも知られず 書いた詩は
日々積み重なる人々の詩によって埋もれてしまう
だからせめて ....
俺が詩を書いているときに
子どもが何してるの?って聞いてきたら
俺は何してると言おうか
メモしているというのが一番ちかい気がする
毎日一時間はメモしている-
....
おい貴様!
貴様と言っても誰に対して言えばいいのかわからないけど
とりあえず叫ばせろ貴様!!
俺の 俺の透明のビニール傘を返せ!
そうだ 安いからとか、どんなファッションにも合うからとか、
....
スーパーのレジで
おつりのコインを数枚受け取ると
「わあ、お金が増えたね」
と娘は目を輝かせる
自動ドアから出るときも
「あのおばさん、きっと親切な人なんだよ」
ふわふわと歌う
....
ぐはぐははひとじゃなかった
でもはぐはぐしちゃった
だってあったかいもん
ぐはぐはは「ぐはっぐはっ」よろこんでた
ぐはぐはいうからぐはぐはなんだよ
それってわかりやすい
....
久しぶりに三人で手を繋ぐ
いつもより寒い冬
汗をかいた小さな掌は
どことなく妻に似ていた
歳を聞けば指で
三本や五本を出していたのに
今では両手の指すべてを使わなければならない ....
娘は将来アイス屋になりたいと言う
好物のアイスを好きなだけ食べられるから
ではなくて
沢山の人を幸せにしたいからだそうだ
いっしょにお風呂に入ると必ずその話題になって
バニラ ....
青い空の向こうから
巨大な顔が降ってくる
にこにこにこにこ
笑いながら
うわあこっちにくるな
目が覚めると
右手がチョキになっていた
いったい僕は何と戦ったというのだろう
夜中、こんなものを振り回して
援軍の来ない小さいベッドの上で
妻と相談して
家にエレベーターを取りつけることにした
けれど、取りつけた後で
この家には二階も地下室も無いことに気が付いた
ボタンを押すと
チーン
と音がして扉が開く
上にまいりませ ....