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夫は
生まれてこのかた
一度も眠ったことのない人でした
『暖かい黒水晶』
苦痛や肉体疲労はありません
ただ
眠れないのです
疲れていても
安らかであ ....
両手で水をすくうように
反射鏡は映し出すけれど
のぞき込むたびに奥歯で噛む
這いつくばって
いいわけ、うつむき加減に
明るい星空の下に
私の居場所はないのです
車窓に ....
ガングロ真理子は
渋谷の無気力をたくさん抱えて
コングロマリットになったらしい
クロマグロ律子は
海の悩みを代わりに引き受けて
コングロマリットになったらしい
こんがりパリ彦は
....
火 を見れば体の中でスパークする
光 と色と微かな音が変化し変化する
恐 れと喜びと懐かしさと新しさが
現 れて ....
かつてここには。
かわなめしがすんでいたという。
やぼようのときだけあしばやに。
よそものたちがとおりすがり。
うすぎたないしゅうきょうとほこりにまみれたまち。
ごうごうとうなりをたて。 ....
あたしたちは
同じ模様を背に宿して
血の繋がらない双子のような
そんな気分で生きていたよね
くすくす笑ったり
さめざめ泣いたり
いつも一緒だったから
身を切るような孤独があっ ....
こねこが じゃれついて
わたしのてを かじっていると
どこにもやれないものを
すこしずつ
かじりとってくれて
いるようで
にんげんのように
わたしたぶんだけ
おもたくなったり
し ....
ある日
世界中で一斉に雨が降り始めた
それはずっと降り続き
海は荒れて
全てを押し流す勢いで
世界中の科学者や
偉い人たちが
毎日議論を交わしたけれど
それは一向に解消されなかった ....
雨が今日も振ってる
俺は傘も差さずに走り出し
人目気にせず歌いだす
今日の雨も明日の雨でも
打たれてたってヘッチャらさ
俺は歌い続けてた
次第と消え行く体温と
ドキツイ ....
行かないで、お願い
そう言って小さな女の子が俺の手を引いた
夕暮れ 海に落ちてゆく日は
どうしていつもあんなに決定的に
強烈に
美しいのか
海辺の教会から ....
にゃーん と言って
にゃ〜ん と答えて
それで ふたり
笑えてたら ステキ
恋が苦しいってことを知らなくて 恋をしたわけじゃないのに
胸を締めつける切ない痛みに耐えられず
どうしていいか解らずに ただ泣くだけの自分
自分を責めたって痛みは消せない
あの人を責め ....