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むせかえる緑
森の深みで
一本の幹を背にすらりと立つ
わたしの頭の上にはもぎたての林檎
正面、幾重もの木々ごしに
とらえようとする鋭い矢尻が
抗う弓をキリキリと押しひらいてゆく、あな ....
君という薬は僕の糧。
君という夢は僕の未来。
君という恋は僕の望み。
君という華は僕の憧れ。
君こそが僕の全て。
君が笑うと、
僕は笑う。
君が泣くと、
僕だって ....
かたこと かたこと
僕の心臓が
どれだけ綺麗に
リズムを刻んでも
かたこと かたこと
僕の時間が
いつでも綺麗に
並んでいる訳じゃない
空は鈍い曇りだし
降るはずの雨は降らな ....
びいどろの中でしか生きられぬ
無縫の衣
纏い
舞う
御姿 艶めかし
ゆるり
ゆらる
煙管より一燻
放ち
湿る
御御脚 い ....
前略 手紙は届きましたでしょうか?
お読みになられたなら
そのまま捨ててくださって結構ですので
夢を見ることしか許されない街
標識も消えた交差点
重ならない夜 肩を寄せ合いながら
....
彼は探していた
花束を手渡す
たった一人の{ルビ女=ひと}を
高い壁に挟まれた路地
いくつもの窓の隙間から
漏れる{ルビ喘=あえ}ぎ声を耳に
彼は通り過ぎた
( 一面の曇り ....
真っすぐな目
真っすぐな思い
君の手
記憶
僕らは自由だ
限りなく
果てしなく
晴天の空間に
眩暈を誘いながら在る 誰
敷石の上に薄い影投げる日が
暮れる 薄刃の風が
私やお前を切るのだろう
誰 曝して満ちた
静か 冷えてゆく
夜か 息か
反芻し過ぎて擦り切れそうな程ささいな逢瀬
回想から想像に変わる
あなたの表情より手のひらの感触が伝えてくれる
淋しい言葉は口封じされる
甘く甘くいるためには2人は申し合わせない ....
ほとんど 売れないので
こまかく ちぎって
鳥たちに くれてやる
ごくまれに 心に
翼をもつひとが 買いにくる
夢かうつつかって言うが
俺にとってはどっちでもいい
夢の中はまるで現実みたいだからな
たまに
変態に追いかけられて必死で逃げたり
タコ星人と友達になったり
子どもを見失ってオロオロ ....
オオカミさんは おなか
いっぱいに なったらしく
ドアノブに 残念ながら
本日は おやすみです
と 札がかかっていた
*関連作品
オオカミさん→http://po-m.com/fo ....
ジビエが有名な神楽坂のレストラン
今日のオススメはヘラジカのムース
当店では
恋をしているヘラジカ
とりわけ、ちぎれるような
恋をしているヘラジカしか
使わないんですよ
シェフの強い ....
二人で作りあげた数式の右辺を
ある日失ってしまった
左辺とイコールだけで
成り立っている数式を見て
きみは笑う
だから
真夜中に起きた僕は
左辺を消しゴムで
消しておい ....
世界は
もっと不思議なままでよかったのに
虹の七色
逃げ水
姿見
知ってしまった全てが
恨めしい
君よ
その背中を覆う漆黒は
僕の夜だ
初めに与えたのは君のほう ....