キミの母親の姉さんの娘と
手錠で繋がれて
カラ海に沈んだ
阪急電車に乗って
梅田へ向かうたびに
「哀愁って、どんな感じ?」 と
誰かに尋ねたくなる
錯覚を捕らえてごらん
....
むかし
海に砂糖を入れたら甘くなるかという事を
思ったもんだ
発展した技術屋かなんかが
科学的に
科学的に証明したのでつまらない
詩人が持つことを許されたピースが
また1 ....
ひとつひとつは とても小さな
出会いだったり さよならだったり
やさしかったり 冷たかったり
忘れていく 揺らいでいく
確かめるすべもなく
流れていく 壊れていく
それがとてもゆるやか ....
夏の名残を雨が洗うと
淡い鱗を光らせたさかなが
空を流れ
ひと雨ごとに秋を呟く
九月は
今日も透明を守って
焦燥のようだった熱や
乾いた葉脈を
ゆっくりと
冷ましながら潤ませ ....
比べたくなるものがある
幸せの度合いとか
それぞれの人生のありようとか
ひとと比べることで見いだせるものとは
柱に刻まれた幾筋かの古傷は
生を授かった証であり
輝ける未来への歓声で ....
目の前にいる誰かを
幸せにできぬ自分など
無くなってしまえばいい
わたしの消えたところに
もっと優れた人が現れて
そこは{ルビ日向=ひなた}になるだろう
ひつじ雲見上げて
ずしん、ときた
そっか
会えないって
こういうことなんだ
一緒にこの空を
見上げることさえ
できないんだ
この空の下で
あのひとは
わたしの知らない
....
君との想い出を抱いて 死んでいけることを誇りに思うよ
安美錦
アミニズム
あれはクビライ・ハンの来襲だったのか
心技体
やおろずの神々に祈りを捧げ
丸い土俵の上にあるものを
観音菩薩。弁天様。
ご利益いかばかりであったとしても
女人禁制
....
暑き日の
全てを見透かす
孤独さよ
つらつらと
とりとめもなく
熱燻る
眠りさえ
疎ましく想う
冷めぬ熱
風止まる
....
わたしのたいせつな彼氏
ちょっと太めで
なんだか見た目はイマイチだけど
ひたむきって感じの横顔が
とても好きなんだ
でもね
困っちゃうんだよね
おんなの子はこうあるべきだという信念
....
何もせずにいられないのは
燻る思いに堪えられないから
胸がギューッと苦しくなって
何かに縋りたくなる
空っぽになりたくなる
満たされたくなる
愛するものを愛 ....
せせらぎに
優しさよりも
愛情を
虫の声
心に戻せと
願う夜
轟流に
逆らう事も
芯になり
水の色
透かして見てる
....
太陽が沈んでゆく
そこが西の空だ
そして今日は下弦の月
だからすぐには
月を見ることができない
真夜中までじっと待て
そうしたら
太陽が沈んだ反対側を見ろ
今日の理科で習ったばかり ....
良くできたうめぼしは
故郷の懐かしい味がする
すっぱさのなかから
忘れかけていたものが顔をのぞかせて
こんなんだったよね
と問いかけてくれるような
ほどよく皺くちゃで
秋アカネの ....
今あなたが食べた
その秋の実は
一年に一度しか実がならない
そんな生き物なのです
人の一生の中では
わずか五十回くらいしか
作ることができません
この秋の実ができるまでに
冷たい風 ....
君の夏の中に
向日葵は咲いた
去年よりも太い茎で
大きな花を咲かせて
はっきりとした向日葵は
これからしおれてゆくだろう
けれども君はそれを
悲しんではいけない
それが自然なのだか ....
晩夏。
夏も夜を迎える。
眠りかけた夏の夢に
眼を醒ました秋が
そろりそろりと
忍び入って。
とんぼが舞い
夜の虫の音も
秋に変わって
朝の珈琲も
アイス・コーヒーでなく温かい珈琲に
ゆるやか ....
松ぼっくりも
気づかないうちに
こんなに大きくなっていた
ほんとに秋がくるんだ
黄金色の秋が
色づく秋が
忘れてしまいたい事
沢山あり過ぎて
言葉は溢れても
体は縛られて
悲しくて
捕らわれて
身動きがとれない、、、
記憶を消してくれませんか?
闇に紛れて
全てを覆う
....
古風な恋愛をしたいって
女優さんが言っていたような気がする
三歩下がって師の影踏まず
じゃなくて
それは夫唱婦随ってやつだよね
男尊女卑だと指差されそう
でもね
ちょっと考え ....
太陽が
眩しすぎたから
どれもこれも
真っ白
花火は
刹那すぎたから
どれもこれも
真っ黒
鮮やかな記憶
以外 何も
残らない
残せない
夏
{引 ....
蝉の声が五月蠅い。
「うるさい」って読むんだよ。
知ってた?
ねぇ
『八月蝉い』のほうが 強烈だと思わない?
積乱雲を夕刻に照らし
今日の終わりの貌
南南東に流れてゆく
身代わりの月は
時々かすみ
雲よりも遠くで
私を笑っている
またたく稲妻が呼ぶ
....
勇気のないボクは
緩慢なる自殺を
繰り返す
1本、
また1本と。
私の恋
一歩進んで二歩下がる
私の重さ
一キロ減って二キロ増える
結局私は前には進めていない
何も変わらない
一 ....
涙が流れて色になる
どんなことであれ
何か一つのことができるまで
寒くて凍えそうになっても
暑くて動けなくなりかけても
泣くことを我慢して
ようやく成し遂げる
その時になって
自然 ....
秋色の冷たい風を伝い
夏を施してゆく
胸を締め付ける余韻を撫でるように
下へ下へと流れて消えた
涙を堪える癖は誰のためでもなく
移りゆく“時”に静寂を与えるため
咲いては散り
散っては咲いて
....
トンネルを抜けると
そこは火の玉の中だった。
ドラゴンの怒りは
熱かった。
アイスを頬張り
扇風機に当たり
汗たらして
ハンカチでぬぐう
熱視線は否応無しに
注がれて困り果て ....
月光も揺らるや海の真ん中で無き夢となり朝日を待つか
一人では死にきれぬ故か入り来た部屋の夜虫をまずは殺して
寂しくも悲しくもないよただ、ただ暗闇がずんと来るだけ ....
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