きみのいない午後は
あたたかいけど うつろで
コーヒーの湯気が のろのろ移ろうのを
ぼんやりと 眺めている


こんな感じ 音もなく葉陰が揺らぎ
窓枠に
淡い緑が染みこんでゆく
 ....
眠たくて曖昧になるその日々に黒子のように星が散らばる。



電気信号が信仰した天使 電信柱たちに遺伝子。



根も葉もない花を咲かせて尾鰭付き一人歩きするみんなの肴。


 ....
アイコスだか電子タバコだか

知らないけれど

子供の玩具じゃあるまいし


ひそひそコソコソ


プラスチックの塊を



吸い上げて ....
今日もひとりでいたわたしが死んでゆく
春になろうとしていることを目で捉え
そして触ろうとしたあなたの髪を
さらり、簡単すぎるほど軽くすり抜ける

ねえ、どうしてこんなにたったわたしの ....
つづら坂のてっぺんが赤く燃えて
曲がり角のそれぞれに暗がりが生まれる
それがくねくねと蛇のように眼下の町へ
影法師が一組
手前の角の煙草屋の暗がりからあらわれて
穏やかな夕日にそっと目を ....
はい
父は一昨年なくなりました
何でも胃の腑に硬い{ルビ巖=がん}なるものができたとか
何も食べられず痩せおとろへ
眞つ黒な血を幾度も吐いたすえに死にました
よきかなよきかな
 ....
娘と一緒にドラッグストアーに行って
「好きなものをひとつだけ買ってあげるよ」
と言ったら
「ホチキスが欲しい」と言う

「ホチキスならうちに二つもあるでしょ。
塗り絵の本とか色マジックのセ ....
無花果は存在主体いちじるし その日の記録。

 宮城県沿岸部某市内,内陸部にある職場にいた。
 ちょうど子供らは午前中で解散。仕事区切りをねぎらう昼食会の担当になっていたので,予約してあった菓子と飲み物を店に受け取りに行っ ....
まずは小話を一つ。

かつて若かりしころに罪なき党員にスパイの嫌疑をかけ、査問中に死に至らしめたミヤケンこと故宮本顕治日本共産党名誉議長であったが、実は晩年、病に倒れて後、夜な夜な枕元に当時殺した ....
 木葉揺の書く詩には常人では思いもよらないような妙な味があって、それが彼女の詩の鮮烈な個性となっている。個性があるというのはそれだけで大きな武器になりうるものだが、悲しいかな、個性というものは努力して .... ベンジャミンさん
「知らないことを知っている」に寄せて
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=64380


自分の思いを伝えて他人を感動させることが目 ....
あの頃、君に告げられなかったことを今


 ***


ねぇ、君
冷やし中華を誰よりも早く始めたいの、とはりきる君の姿が僕は好きだったんだ



ねぇ、君
扇風機の首フリに合わ ....
通りすがりの人に頭を殴られたときに
どこかでしあわせになったあたしが
鼻血を流し、ぐらんぐらんの脳みそで
汚れる制服とアスファルトを
きれいに混ぜた

人を殺してばかりのきみの
本当は殺 ....
そばだてた時間の片隅が
たゆたう雲の尾ひれのように
いつかちぎれて消えてくことを
待っているかのようだ

静かに

寄せ集めて形を整える癖は
大人になったはずの今でも
あっさりと明日 ....
風が私の輪郭をなぞる
私は風によって顕れる
その刹那
私は世界だ

世界が終わるとも
声は続く
風の意志は続く
世界は風によって名付けられ
名は風に隠されている
声は名 ....
   (あらあなた 見かけより ずっと吸うのね 春の夜)


    彼女は胸から乳を搾り出さないのかな、と
    思いながら向かいで飲んでいた女を見ていた
  
    僕の隣 ....
  

ラベンダー絨毯の中
東へ東へ向かうバス
点在するハーブ園
スィングするカラフルな文字
流れる
ラジオから
セージ、パ リ、マリ 、タイム、、、
と聞こえ
行くのですか
と ....
こびとは手紙の最後に
「こびとより」とそえたあと
「こ」と「び」のあいだに
小さく「い」の字を書きくわえた

しばらくながめているうちに
恥ずかしくなったのだろうか
てのひらで手紙を丸め ....
濡れズボンが風にそよいでいる
明日ごろまで生きていれば
多分それを穿くわたし
ねえ
あそこに流れていくものを
いつから雲だと知ったの
桜の枝を折ったジョージは
一生砂漠の砂を数え続けるという
罰を受けた

ああ、それならいっそのこと死刑にしてください
そう懇願したが

いやいや、罰とはそういうものなのだ
裁判長のこの ....
「うみ」
と書けば
白い波が寄せて返し

「そら」
と書けば
どこもでも青く

「もり」
と書けば
木々が香り

「とり」
と書けば
それは翼をもって飛びまわり

「ま ....
ワタナbシンゴさんのおすすめリスト(22)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
きみのいない午後- タオル自由詩5*23-12-6
宝石のように眠たい- 水宮うみ短歌7*22-2-3
紙巻き煙草のブルース- TAT自由詩4*20-7-18
甘いバターと春、或いは- みい自由詩820-3-10
つづら坂- wc自由詩520-1-21
YOKIKANA- 山田せば ...自由詩515-12-30
ホチキス- 夏美かを ...自由詩41*13-1-25
_- うてた俳句211-11-13
五十日目の日記- 縞田みや ...散文(批評 ...29*11-4-29
ラブアンドピース?いいやラブはピースをも駆逐するのかもしれな ...- 山田せば ...散文(批評 ...6+*07-8-7
■批評祭参加作品■木葉揺_その個性の行方- 岡部淳太 ...散文(批評 ...10*07-1-5
在り方を成立させる技術について- いとう散文(批評 ...13+*06-2-22
君に宛てて- Monk未詩・独白187+*05-8-29
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六月の桜- あみ自由詩404-5-13
かぜ・こえ・かくれな- いとう自由詩1704-4-27
セブンスター・ライツ- 高田夙児自由詩904-4-20
ハーブ園- AB(な ...自由詩12*03-11-14
風にわたって- たもつ自由詩1403-10-20
明日ごろまで- たもつ自由詩903-10-14
砂漠- たもつ自由詩603-10-7
「___」に言葉を入れてみろ- たもつ自由詩3203-9-17

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