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ばあちゃん
ごめんなさい
1月27日は
あなたの命日でしたね
予想はしていたけれど
やはり
忘れていました
あなたの写真に
水と
ご飯と
花とを
手向けなければい ....
喉が渇く
先生
あなたを
思い出すたびに
もう思い出さなくていいと思う
盲目のまま
「すき」なんて言ってしまったこと
いまは後悔している
知るほどに
嫌いな男だっ ....
9月は
臨月の母の腹に 私がいたのでした
空気が風が 金木犀色に満ちて
稲穂は波うち
大群のトンボの羽光らす 黄金の夕焼け
そのとき
ほんの暫く 時間が止まる
....
切り離された臓器の傍らであなたが眠っている
ちからなく
まだこちらに戻ってこない意識
真っ直ぐに伸びる廊下の向こう
夕日が熟れた色で光っていて
あの世へ行く道みたいだった
....