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優しい国のふもとでは、
テレビのなかで、パソコンのなかで、
夥しいテントが並べられている。
積み木のような高層ビルの森の透き間を埋めて、
資本家の設計した本土総力戦を生きた、
こころに赤い傷 ....
この草のにおいを意識し始めたのは、
いつからだろうか。
翳る当為が、こおりのように漂い、
透きとおる幻視画のような混濁のなかで、
きみどりいろに塗された、切りたつ海岸線が浮ぶ。
冬の呼吸 ....
繰り返される福祉が、
新しく歓迎の声を受けて――、
福祉は、いくつもの、与えられた菓子を食べる。
なかには、埃を被っている、
国民精神総動員要綱も、
遠くに、ちらついて揺れている。
....
暑い夏だと、手がひとりでに動く。
発せられなかった声も、潮風の涙腺にとけて。
装飾のための深い窪みまで、
透き間なく、枯れている、古い桐箱に眠るフィルムを、
年代物の映写機に備え付ける。
....
換気扇が、軋んだ音を降らす。
両親たちが、長い臨床実験をへて、
飼い育てた文明という虫が、頭の芯を食い破るようで、
痛みにふるえる。
今夜も、汚れた手の切れ端を、掬ってきた、
うつろな眼で、 ....
木曜日の朝の雫が絶叫をあげている。
尖った街頭の佇まい。
通勤の熱気をはおったDNAのひかる螺旋の群は、
わたしの散漫な視覚のなかに、
同じ足音、同じ顔を描いていく。
振子のようなまなざ ....
1
逆光の眼に飛んでくる鳥を、
白い壁のなかに閉じ込めて、
朝食は、きょうも新しい家族を創造した。
晴れた日は、穏やかな口元をしているので、
なみなみと注がれた貯水池を、
....
1
眠れない夜は、
アルコールランプの青白い炎に揺られて、
エリック・サティーのピアノの指に包まれていたい。
卓上時計から零れだす、点線を描く空虚を、
わたしの聴こえる眼差し ....
白く鮮やかに咲きほこる、
一本のモクレンの木の孤独を、わたしは、
知ろうとしたことがあるだろうか。
たとえば、塞がれた左耳のなかを、
夥しいいのちが通り抜ける、
鎮まりゆく潜在の原野が、かた ....
倉持 雛さんの前田ふむふむさんおすすめリスト
(9)
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カテゴリ
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日付
白い夏
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前田ふむ ...
自由詩
22*
07-11-3
感傷的な夏より—連弾する午後の夢
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前田ふむ ...
自由詩
33*
07-7-26
幸福のデッサン——デッサン
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前田ふむ ...
自由詩
31*
07-7-12
包まれる夏の風景___デッサン
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前田ふむ ...
自由詩
33*
07-7-11
あまのがわ
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前田ふむ ...
自由詩
34*
07-6-16
五月の街
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前田ふむ ...
自由詩
31*
07-5-26
静かな氾濫をこえて—四つの断章___デッサン
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前田ふむ ...
自由詩
29*
07-5-8
春のための三つの断章
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前田ふむ ...
自由詩
33*
07-4-18
三月の手紙__デッサン
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前田ふむ ...
自由詩
32*
07-3-27
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