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去年の朝の
球根が
臓器のように
どしんどしん、と
土の表皮で呼吸した
高く鳴る
拍動に
ためらう闇が
蒼く余韻し
彼の路を隠しゆく
慣れぬ夜を呼吸して
水路を拓き
彼 ....
嵐かぜが激しくて
風鈴の絶え間ない動きは
趣も何もあったもんじゃない
それでも開け放した窓を
騒がしくて仕方ないのに閉められないのは
わたしたちこそこうして
うるさ ....
そのときが来たら
必ずいってしまう
わかっているのに
訪れるのは唐突で
待って、と言って
新芽をのばすのに
青く繁るようにと
その場をゆずられ
未熟な葉桜は枝を
ざわざわとゆらす
....
「休学することにしたんだって」
悩む顔も
丸めた体も
涙も
しらない
割れてるのでいいでしょ?てくれたお土産のかぼすゴーフレットしか
じゃまだといって押し退けた肉付きの ....