ゆうてみて
あたしのどこがきつねなのか
そらぁ
お天気の日に雨はおっかしわなぁ
そんでもなぁ
この雨を降らしたんはあんたやで
しょぼくれた顔してうどん食べてたから
声かけたん ....
さして間もなく惚れました
そして間もなく晴れました
涙がほんのり滲みました
案外あっさり乾きました
願いはいくらか満ちました
想いはいささか欠けました
新たな痛みを知りました
....
テレビで野球中継を見ていると
ボールを渡される
九回裏ツーアウト・スリーボール・ツーストライク
最後の一球を投げるのがぼくの役目らしい
キャッチャーの構えたところに渾身の直球を投げ ....
カウンターでモーニングを
こうして毎日摂れるのは
四十年間働き続けたおかげ
払って来た厚生年金の余禄
震える指で煙草をつまみ、吸い
灰皿に戻して
まったりの店内を吹き抜けるウェイトレスが
....
あたいの心は茜色
つっかけ蹴り上げたら
明日は、きっと晴れ
たばこ好きの女が
たばこ嫌いの人達に
よく言われる台詞
「生まれてくる子供に悪いよ」
そうか
そうだったのか
わたしの身体は未来の誰かの物でもあって
今こうしてだらだら生きている ....
朝から酒を飲んでいる
涙をこぼして飲んでいる
都会の空地の駐車場
道行く人は見ない振り
電信柱のゴミの横
フェンスの縁に片手掛け
地べたに座り飲んでいる
通勤客は足早に
見て見ぬふりの ....
天災で死んだ三万
自殺で死んだ三万
世界で死んだ三万
宇宙でいままで生まれたいのちの数
引く
宇宙でいままで死んだいのちの数
イコール
宇宙にいま生きているい ....
どんなに嘆いてもかなしんでも
そのかなしみはどうやったっておいつかないさ
だって地面は割れたし津波は来て奪っていった
そのときわたしはドーナツ食べてコーヒーのんでた
わたしはそこにいなかった
....
セブン!
セブン!
イレブン!
ぷお〜
セブン!
セブン!
イレブン!
ぷお〜
もろだしのまま
レジ行って
熱々おでんのなかに浸けて
ウルトライレブン
ファイターイレブン
....
家にいるのに帰りたい
どこに帰るの帰りたい
今すぐここから帰りたい
何でもいいから帰りたい
中学1年生の時に帰宅部だったから
わたし帰るの得意なんだあって
独り言つぶやいて帰りたい ....
有馬二郎(英語: Arimajiro)は、哺乳類有馬目に属する動物の総称。有馬二郎科のみが現生する。
【分布】
北海道からアルゼンチンにかけて分布している。
【形態】
最大種はオオ有馬 ....
新宿はひとをたいせつにしていなかった
ひとの多さがそう感じさせるのか
いや、ひとのながれがそう感じさせていた
焼き鳥屋さんのよこの珈琲専門店に
コーヒーメーカーの部品を買いにき ....
本音で言えばでんぐり返しだろ
聖徳太子の背中に跨り
いつか
そんな人生を狙ってるんだろ
石ころも拾えないくせに
ちゃんちゃらちゃんちゃん だ
御輿担ぐのも 担がされるのも ....
親分が死んだ
翌日は
空がどんよりしずみこんでいて
さかんに落ちる公園の黄葉たちをみていた
車内の
十月
か。
なやまされていた
か。
....
にんげんが痛みを知ったとき
他の動物たちは
それ見たことかと
手をたたいた
森の聖人がリスやキツネに
『見ていてごらん。彼等は今に誤りに気付き ....
スーパーで
買い物してると
茄子に
モザイクがかかってる
商品名も
お○す
と伏字になっていて
かえって恥ずかしい気がした
キャベツを買おうとすれば
その中心部に ....
少しブスな女が好きだとは言ったが
超絶ブスな女が好きだと言った覚えはない
てめえは一度だって鏡を見たことがねえのか
どこをどう贔屓目に見りゃ少しブスになるんだよ
誰がどう見たってフォローのしよ ....
高速道路からみえる
一番目立つ集合住宅
おそらく
ここは
八王子あたり
名前を
つける
マツリハイツ
窓のひとつ
ひとつに
すき
きらい
を
はりつける
頭だけ ....
おれはくるしみたい
おれはおまえでくるしみたい
たとえば八月の朝
池をながめるベンチのよこで
たとえば熱い夜道
家までつづく短い坂のうえで
たとえばオクラを
並べた皿のマヨネーズの横で
....
美しい7月
太陽はまた新しく耀いて
波涛を映して瑞々しく
熱した白いアスファルトの上を娘たちは
日一日と灼けて
ときめきに図太くなって行く
楽しい事なら何でも起こる
碧いカレンダーの ....
本当のかなしみを知るひとは
かなしみのあり様をあれこれと邪推せず
涙で濡れた手のひらにあたたかな眼差しを重ねてくれる
本当のかなしみを知るひとは
ひとの過ちをあれこれと論ったりせず ....
俺様やろうに
また「てめぇ」て言われた
何様じゃ
お前は
大奥様に向かって
何たる侮辱
きさまは
お子ちゃまのクセに
『ひとこと言ったその日から恋の花散ることもあ ....
大きな右腕のはさみを振り上げながら
あちこちで何かを話し合っている
静かな潮騒になら負けないくらい
その小さな声は辺り一面に満ちている
プチプチと話すのは毎日の事
今日はいい天気ですね
....
オレンジの通勤快速 行き先は東京発の戦場行き
この街の人ごみ上手に歩きたきゃ冷酷非道な独裁者となれ
JKのスカートの裾めくれればザクロのごとき血脈ありて
マグリットあなたもいつか見た ....
窓を開けて欲しい、と男は言った
壁しかない部屋だった
窓を開けた、とわたしは嘘をついた
男は両手を広げると
嘘の窓から青空へと飛び去った
ひとり残され
部屋を丁寧に折りたたみ
....
夕暮れ中央道にのり込んだ
明滅するテールランプが湿度ににじんで美しい
すべての初めては心を激しく呼んでくる
生きている
くるしいし高ぶるし泣きたくて笑いたい
センテンス
台 ....
春の田んぼ
ミジンコ百万匹
夏の牧場
たい肥積み上がり
秋の終わり
もみ殻焼く匂い
そして冬
降り込められた
あなたとわたしの時の匂い
いい香りじゃないけど
嫌いじゃない
....
ああ、空は紺青に澄みわたり
春の日差しは暖かく降り注ぐ
白百合のような清楚
胡蝶蘭のような華麗
向日葵のような笑顔
新たなる春
学び舎に花開く
瑞々しき幼子たち
野は緑に ....
久かたぶりに訪れた渋谷センター街
取り壊し中の建物とかあったりして何となく余所よそしさを覚える
平日の昼間ってこともあるのだろうけど
チーマー、ガングロな人びと
そして神話の国の神話な ....
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