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誰も知らない何かが
このなかに住んでいて
すやすやとチューブから
トマトを吸い込んでいる。

無性 ....
朝露にぬれた白桃を
吸血鬼が狙っている
吸血鬼は黒く、
爪の先ほどの大きさしかなく
細長い観葉植物のなかで暮らしている
白桃には、  ....
わたしを
かたちづくるもの

なにもないと
思ってしまうぐらい
安定のなかにいて
時折、
影のない ....
とがらせろ
とがらせろ
ながれのすべてを
とがらせろ

握りしめた力が
入水した紙粘土のように  ....
こころのなかに
海が浮かぶ
深く蒼い紺碧の海

ひとつの闇から
光を見出だそうとするとき
かならず海が浮 ....
琥珀という石を
手にしたことはないけれど
見つめたことがある
黄昏に凍りついた壁の向こうに
眠る葉や虫たち
 ....
髪を束ねた
まだ十代の古典的なわたしが映る
露わになる輪郭が湿らせる傷痕
二度と同じ過ちを冒さないために
今がある現実に撫でまわされるこころ

束ねるという行為は
過去を受け止めるという ....
退屈という時間を抹殺したい
エナメル線に火をつける
行きつく先は爆発だが爆発の恐怖を忘れている
錠剤が、錠剤があれば大地震も大丈夫

(あのね、良い詩を書くときは服用をさぼるの)

錯乱 ....
 ずっと待ち焦がれていたの
 その手を
 あなたのその手を
 あなたに愛撫されるように

 夜のシーツに包まってわたしを宥めた
 あなたをずっと待っていたのに
 あなたの指がわたしに触れ ....
わたしには、きっと
読まれることのない
手紙を書いている

わたしには、きっと
云われることのない
ことばを書いている

進む指の感覚がもどかしい

ひかりを知らない子どものように ....
冷えた氷の一片が
熱く手のひらを突き刺す
待つことを乞うように

力一杯握りしめると
氷の時間が止まる

氷のなかにあるものは霧と雲
そのなかにわたしの足跡はない

どんなに熱を残 ....
遠ざかるものよりも
進むものでありたい

あなたに向かい

深夜
雨に濡れた肩を抱く
あなたの手のぬくもりが
この背中に焼きついて離れない

赤い痛みが沁みていく

離れていて ....
あなたのその
ちいさくつよい
あたたかな手に
わたしはどれだけの
今を与えられるだろう

あなたにどれだけ
こたえることができるだろう

ことばのないふたり

眼差しだけが優しく ....
君の歪んだ妄想をぶち破りたくて

ことばを固めて
ぶつけても
時間の壁は揺るがない

君が紡ぐあいのうたは
100年前のアリアで

わたしは踊れない

きっと君は知らない
幸福 ....
わたしたちは、ひかりに向かい歩いている

いつも
目にはみえない風のなかで
闇を求めながら

闇を求めているときでさえ
わたしたちは
ひかりのなかにいる

求めるというひかりに
 ....
スライドする
月が笑う
夜の窓辺

憂鬱を孕んだ
胸が冷える鼻先

わたしはわたしの行方を
ポケットに押し込んだまま

吸い込まれる
終電の渦

たった1mgの錠剤で
繋ぎ ....
真昼の月の窓辺に
通り過ぎゆく
硝子の世界

なにかが在って
なにも無い
誰かがいて
誰も居ない
ジオラマの影

週末の真昼の東京は
目を開けたまま
眠っている動物のように
 ....
 透明なかなしみが
 ういている
 逆さの世界に
 歪んだ空の隙間に

 そっと掌を忍ばせて
 沈黙した重力の風を
 わたしたちは
 そろそろと飲み干す

 風は影をまきながら
 ....
 窓際を覗く
 あなたの瞳は
 いつも
 風の彼方の
 虹を探している

 窓際を覗く
 あなたの耳は
 いつも
 時間の足音を
 聴いている

 窓際を覗く
 あなたは
 ....
 空から
 風のなみだが
 叫びとなって
 堕ちてくる
 
 わたしは
 部屋の片隅で
 目を閉じ
 風に語りかける
 
 もう少し、
 もう少し、
 待っていてね

 あ ....
 風のなかに
 雨がふる
 雨のなかに
 風がふる
 
 空の温度が
 瞼に響く
 
 太陽は耳を塞いで
 月の吐息が零れて
 星の瞬きが聴こえる頃

 心地よい
 あなたの ....
 あたたかな
 春のひかりの
 ミルク色の微笑みが
 わたしの瞼におちる刻

 わたしはめざめ
 あなたの手をとる
 ことばをともに
 込めあって
 
 わたしが風なら
 あなた ....
 わたしのなかの
 過去と今
 現実と非現実が
 背中合わせで
 わたしを巡る
 蛍光色を発しながら
 わたしの頬や
 瞳を舐めていく
 
 昇っても
 昇りきれない階段と
 降 ....
吉岡ペペロさんのあおい満月さんおすすめリスト(83)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
吐瀉物- あおい満 ...自由詩514-8-27
白桃- あおい満 ...自由詩3*14-8-26
『かたちづくるもの』- あおい満 ...自由詩5*12-3-18
『とがらせろ』- あおい満 ...自由詩8*12-2-2
『ひとつの、孤独のために』- あおい満 ...自由詩9*12-1-11
『燃える琥珀』- あおい満 ...自由詩9*11-12-26
『束ねる』- あおい満 ...自由詩3*10-3-7
『破壊遊び』- あおい満 ...自由詩4*10-3-4
『乳房』- あおい満 ...自由詩5*10-1-9
『手紙』- あおい満 ...自由詩509-11-8
『冷熱』- あおい満 ...自由詩3*09-10-31
『背中』- あおい満 ...自由詩6*09-9-12
『その手に…』- あおい満 ...自由詩4*09-8-16
『君の手』- あおい満 ...自由詩5*09-8-12
『わたしたちのひかり』- あおい満 ...自由詩4*09-8-1
『蒼の日』- あおい満 ...自由詩16*09-5-17
『真昼の月の窓辺』- あおい満 ...自由詩5*09-5-9
『水割り』- あおい満 ...自由詩3*09-3-22
『窓辺の彼女』- あおい満 ...自由詩4*09-3-20
『風のなみだ』- あおい満 ...自由詩6*09-3-16
『空の吐息』- あおい満 ...自由詩4*09-3-8
『そのやさしさへ』- あおい満 ...自由詩5*09-3-7
『スパイラル』- あおい満 ...自由詩4*09-3-6

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