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     見る影もなく
     下垂の一途を
     たどっています
     この両の房の中にある
     喜びと寂寥、
     この歳になればそれはもう
    ....
                                                                        

   ひとりでは
   立てないと ....
    米を研ぐ
    それは繰り返される日々の儀式
    手のひらにあたる米粒はかたく
    米どうしがぶつかりあい
    じゃっじゃと音をたてあう
    このかたいひと粒ひと粒 ....
    木目の美しい一膳の、
    箸に惚れた
    色香を漂よわせ
    朝に夕にと
    おいしいものたちを
    口に運び入れ
    わたしに感謝の咀嚼をせが ....
    ただの水じゃないかって?
    まったくちがうよ、
    いや炭酸かどうかじゃなくて
    このボトルの泡たちは宇宙の星なんだ
    だからこの泡たちを飲み干して
 ....
     カナカナと遠いどこかで
     かなしげに、
     啼く声を聴きながら
     今日という日を
     麦茶漬けで締めくくる
     さらさらとなんでもない事のよう ....
      
      わたしが歳をとる
      髪は白く
      乾いた肌には
      無数の皺
             
      あなたが歳をとる
    ....
        窓ガラス
        伝いおりる
        雨粒ひとつを
        ゆびで追う

        祈りとは
        この雨のような
        ....
       なんと醜いものだろう
       ただの肉塊であったなら
       赦されたものを
       このなかには
       潜み蠢くものがある
       ....
      夏をたたむ
      両手でしわをのばし
      ていねいに
      色濃い影をおとした夏も
      洗濯され、たたまれると
      頼りないほど薄っぺらだ
 ....
     そのひとは俯くことをせず
     まっすぐに前をみていた
     履いているジーンズはうす汚れ
     家路をいそぐ人々が乗る電車の中
     ぽっかりとあいた空間
    ....
       うす汚れた魂を
       夜更けに洗う
       洗面器に冷たい水を張り
       ひとつまみの塩でもみ洗う
       不信と後悔がにじみ出て
     ....
     雪がふる雪がふる
     音もなくふりつもる
     蝉たちは土の中
     耳を傾け夏をまつ
     あの日の麦わら帽子は
     いまも埋もれてい ....
      あなたとわたしは一膳の箸でした
      年を経た槐の木から
      それはそれは丁寧につくられて
      生まれたのでしたね
      ある朝 ....
            こんな日がくることを
            いつから知っていたのだろう
            告げねばならない
            それがわたしの役目 ....
               きゅうりに背骨は
               ないけれど
               きみの背骨は
               きゅうりの味が ....
           人のまばらな駅のホームで
           うなじが捉えた陽だまりは
           やさしいまでに背を撫でる
           電車がくるまでに ....
             あの豆腐屋の
             角をまがったら
             朝がくる
             豆腐屋の朝は早く
            ....
           


           らくだ色の毛布のなかで            
           ひだまりに
           あたまを撫でられた
        ....
服部 剛さんの石田とわさんおすすめリスト(19)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
房の中- 石田とわ自由詩8*21-7-18
夜明け前- 石田とわ自由詩7*21-7-16
研ぐおんな- 石田とわ自由詩15*16-2-11
夕餉の風景- 石田とわ自由詩13*15-1-12
星になるとき- 石田とわ自由詩14*15-1-8
沢庵と月と扇風機- 石田とわ自由詩15*14-8-7
未来に微笑みを- 石田とわ自由詩21*13-12-4
雨のむこうに- 石田とわ自由詩12*13-11-25
わたしのなかの- 石田とわ自由詩14*13-11-1
ながい夏- 石田とわ自由詩21*13-10-12
辿りつくまで- 石田とわ自由詩16*13-9-29
洗面器にわたしが溢れるとき- 石田とわ自由詩32+*13-1-22
蝉たちの子守唄- 石田とわ自由詩13*13-1-10
一膳の箸- 石田とわ自由詩16*13-1-8
ピクニックへ行くように- 石田とわ自由詩11*12-5-2
きゅうりと背骨- 石田とわ自由詩12*12-4-17
陽だまり- 石田とわ自由詩8*12-4-9
豆腐屋で朝をみる- 石田とわ自由詩12*12-1-25
まどろみ- 石田とわ自由詩10*12-1-6

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