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唇には唇の 開き方があって
花ならば散るのに
風にでも なびくのに
喉がかすれて
目にしたくなくて
声が くぐれず
いつもの いついつ
指を唇に あててみる
静かに 沈黙が ....
木の蝶
歩道橋の手摺りに置いた
棒に のっかってた
口元 陽に さわり
生真面目な終わりから始まる
朝に 応えるはず
腕の中で 木に戻り
変えられた 前の顔
幾度も 聴 ....
さかさまつげ と診断され
父に手をつないでもらって
眼科に通って いた頃
診察してくださった先生は
遠くをみつめなさい と言った
遠くの山の緑 遠くの景色を
とても 眼にいいか ....
まとわり とけない まなざし
つめない にもつに とまどう
あかるい まよなか のみちに
めをとじ かすかに ほほえみ
どこへも いけない かなしみ
どこへも むかえる ....