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春の雨に隠された怖れを彼女は見ている
幾つものしずくに映る逆さまの世界を
彼女は見ている

からだの動かし方は知らない
時代がかった衣装の代えもない
おひな祭りというものが過ぎて
誰かさ ....
寝たきりの祖母が一週間の大半を
天井を見て過ごすことがかなしい
私の顔も忘れた瞳が
時にきれぎれの記憶を思い出す
その輝きが
新しく覚えることがらを無くしても
ふと寂しさを宿して見える ....
水はグラスに包まれ
グラスは両手に包まれ
あなたを包むのは誰ですか
水が包むのは、何

泣いているのは
瞳だけ幼い老人
その掌に
日溜まりのような優しいぬくみ
その額にま新しい水を注 ....
それはいつまで経っても明日にならない
俺は始まりからずっと遠くてもっとぶ厚くて
お前の衰弱しきった太陽が忘れられない
明ける夜に挿された首のひやっとした
どの空も拒んで傾いた
それは動く ....
スキップしよう
手をつないで弾もう
しかたなんて忘れたなんて嘘
スキップしよう
みどり深く

スキップしよう
ひとりでだって弾もう
あお空うつした水たまり飛ぼう
スキップしよう
 ....
東京で暮らすために
新宿に降り立った日のことを思い出す
長旅、といってもたった半日だ
タンクトップをねじるくらいで
音楽をつめこんだ鞄を
肩に食い込ませ
その日を酒を探して歩いた

福 ....
駐輪場で鳩がむねを撃たれて
仰向けに休んでいる
白い翼をとじ
両足を揃えてたたみ
なにを見ているのか
つめたい檻の外へ
まばたきを急ぎながら

その心臓は重すぎる
あかをはき出し ....
波にかき消され
あるく音も聞こえない
アヴェ・マリアもかき消され
カモメの白い羽音もかき消され
太陽をまっすぐに浴びて
誇らし気に弧をえがく

かすんでゆくまま波にかまれ
風船はつなが ....
服部 剛さんのsoft_machineさんおすすめリスト(8)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
フランス人形- soft_machine自由詩20*08-3-29
かなしみ- soft_machine自由詩14*08-1-23
包まれて- soft_machine自由詩24*07-7-7
いきづく花- soft_machine自由詩19*07-6-5
スキップしよう- soft_machine自由詩10*07-3-12
新宿はさようならと言った- soft_machine自由詩23*07-3-4
そめられる鳩- soft_machine自由詩15*07-3-3
すなはまにて- soft_machine自由詩11*06-12-18

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