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雨の広がる匂い
土の匂い
黒みを増して
透明に変わる
アスファルト
つやりと光る
紅い新芽
杉の匂い
色とりどりの
揺れるパンジー
バス
窓に描く直線
囁く猥談
アナ ....
月光輪は白く
外灯は虹をかがやく
世界は青く
白い道をしめす
道端に手向けられた花は
誰をしめすでもなく語りかけ
僅かな戦慄と蜘蛛の糸のような
儚い残存を与える
あぁ、夜だ
....
雨がまた、降り出した
水曜の午後
憂鬱なマクドナルド
心臓の様な交差点
右心房、左心室、
左心房、右心室
そこにある血液と営み
規則正しい信号の流れ
ニューロンからシナプスへ
シナプ ....
あなたが小さく手を握った
私は小さく微笑んだ
あなたが小さくさよならを言った
私は小さくうなづいた
あなたが小さく振り返った
私は小さく瞬きをした
あなたは小さく微笑んだ
私 ....
暗闇の夢
暖かな夢
闇はやさしい
すべてを平等に包み込む
闇はやさしい
そこでは君を思う事も
そこでは青空を思う事も
みな同じ様に
溶かしてしまう
闇はやさしい
そこは ....
僕はタバコを吸う
煙はどこかへ流れる
夢の中で小さな花を手折った
夢の中では小さな花を吸っていた
甘い香りの先に少しほの苦い味がして
僕は花を「ぺっ」と吐き捨てた
花を捨てた僕 ....
魚になって泳いでみたら
ちいさなあの子がすくってくれた
あんまり優しくするもんだから
優しくガラスにキスをした。
小鳥になってちゅんちゅんしたら
おっきなあの手で優しく抱いた
あんまり ....
楽しかった時間が過ぎ
さようならの時間が訪れる
いつまでもこうしていたいと
切り無く思ってしまうけれど
やがてさようならの時間
僕等はさようならをしたけれど
嫌いだからじゃなくて
君 ....
酔っ払ったみたいに踊る僕の手に
気が付いたら君の手があった
変な言い方だけどそんな感じ
おでこをくっつけて微笑みあった二人が
そのまま見つめあって
溶け出していく夏の夜の匂い
細波 ....
誰も知らない顔をして
通り過ぎていく君の強さ
夏の制服の薄いシャツから伝わる
淡い匂い 淡い声 淡い想い
すべてが溶け込んだような
プールの塩素の匂い
もう過ぎてしまった七夕は ....