すべてのおすすめ
 *灯台

   かすかにまだ
   光っている
   間違えたままの、
   やさしい思い出
   わたしの幸福な思い違いを
   あなたは
   そのままにしてしまったから
 ....
  やさしいのか
  やさしくないのか
  雨の日のあなた


  約束の時間に
  遅れたわたしに
  何も言わないので
  カフェオレを頼んだきり
  わたしも黙って俯いてい ....
  わたしは時々、石になりたい
  そして夜の一番暗いところで
  じっと丸くなり
  わたしの冷え冷えとする体に
  とても美しい夢を備え
  いつかわたしを拾い上げる者に向かって ....
  昔、あなたに宛てて書いた手紙
  あなたが受け取らなかったので
  まだ手元に残っている


  手渡そうとすると
  あなたは決まって困った顔をしたから
  わたしは何故なのだろう ....
   
   冬の空に
   オリオンが南中する頃
   ベテルギウスは涙を零して
   名前が呼ばれるのを待っている


   冬の空の、暗い、
   まるで何も存在しないかのように ....
  
  「本を読みなさい」
  

   その人はそう言って
   夕暮れて図書館が閉まるまで
   わたしの隣で静かに本を読んでいた


   映画を観なさい
   音楽を聴き ....
  
  わたしの中に森が生まれたとき
  その枝は音もなく広げられた
  指先から胸へと続く水脈に
  細く流れてゆく愛と
  時おり流れを乱す悲しみ



  わたしを立ち止まら ....
  君のいた夏が終わる


  故郷を知らないという君が
  旅先で描きためた風景画、
  古びたスケッチブック


  迫る山並み
  水田に映る空
  夕暮れの稜線
  風に ....
  風が吹いて、あたし
  かんたんに飛ばされてしまう
  未完成な結晶のすがた、まだ
  花にはなれない
  舞い上がって、遠いところへ
  行ってしまうなら、
  今がいいと、思ったの ....
  夕暮れの図書館で
  あなたは時間を忘れて頬杖をついていましたね
  わたしは夕焼けに見惚れるふりをして
  ずっとあなたを待っていたのですよ
  あなたがわたしを思い出すまで
   ....
  冬の木漏れ日の中で懐かしい歌を聴きました
  懐かしくてももう泣けない自分がいました
  それが寂しくてそっと瞳を閉じました
  太陽が淡く輝いた冬の日のことです


  太陽 ....
服部 剛さんの嘉野千尋さんおすすめリスト(11)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
海辺の詩集- 嘉野千尋自由詩49*08-7-13
金木犀- 嘉野千尋自由詩27*07-9-24
わたしは時々- 嘉野千尋自由詩18*06-6-6
手紙- 嘉野千尋自由詩31*06-2-6
十一月のオリオン- 嘉野千尋自由詩21*05-10-22
十月の空を見なさい- 嘉野千尋自由詩25*05-9-12
森の風景- 嘉野千尋自由詩36*05-8-12
水彩の夏- 嘉野千尋自由詩14*05-7-27
幻視、桜- 嘉野千尋自由詩5*05-2-13
夕暮れの頃- 嘉野千尋自由詩12*05-1-15
十三月記- 嘉野千尋自由詩45*05-1-7

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する