すべてのおすすめ
鳴らないアラームはいらない。
俺こそがアラームそのもの。
死者の死体を掘り起こせ。
通らねばならぬ道がある。
工場の煙が真実を知っている。
尋問の時間がやってくる。
椅子には座 ....
学生の頃 日本はバブルの全盛で
就職できないなんて考えもしなかったよ
授業も出ないでバイトして、飛行機チケットを買ったのさ
バックパックかついで、足の向くまま気の向くままに
羽の扇ふりながら、 ....
君が知らないうちに
きれいになったと
思ったのは秋の日で
僕らはほかの誰かの
バースデーに引きずられただけ
遠い世界の争いのように
僕らは憂鬱を抱いていた
話は知らないうちに ....
俺が恋したあの人は
町の外れに住んでいて
暗い部屋から俺を呼ぶ
「坊や、ちょいと町までおつかいに行ってはくれないかい?」
「悪いけどさ……俺、坊やなんて呼ばれる年じゃねぇぜ」
闇から ....
過ぎてゆく
何が?
星が
人が
時が
僕は過ぎない
独りぼっち
過ぎてゆく
何が?
雲が
君が
命が
淡い月が照らす
月もやがて過ぎ
日が昇る
なのに
なぜ僕は ....
煙たいのお思うたら
たばこの煙がまだもくもくと出よったんよ
のろりのろりと
天井にあがっていく様を
見ようたら
蛍光灯が切れかけよることが
よおわかる
どこへ行くんかいの
煙は ....
暫らく連絡を取っていない誰かに挨拶をするとき、
その導入をどうしようかしばしば悩むことがある。
届けようと思った言葉はパイポのように湾曲して、
伝えたいフォルムとは全く違うマチェールで描かれ
....
{引用=
? あの頃が来た
扉を開けると
土砂降りの雨の中に
あの頃が立っていた
あの頃とは違って見えたが
私には直感ですぐに解ったのだった
成熟した女性の姿のあ ....
線香花火のおとたてて
ねずみ幽けき雲まから
まえの方からふわっと
わっとふけみたいな白
フロントガラスにパッ
パッパッパッ線香花火
僕は祈っていたのでした
....
{引用=
寒さよりもしみとおる孤独に
大地は沈黙している
屹立する枯れた木は
信じる力を失い
他人の顔をした
春の訪れを恐れている
蟻の巣は崩壊し
{ルビ ....
かつていなかったはずだよ。
君ほどのペペロンチーノは
かつていなかったはずだよ。
確かに君はパスタに過ぎぬ。
君はただのデュラム小麦だ。
しかし、そんな君の出自が
気にもならなくなる ....
1 両手を前に差し出します。
2 人差指と親指でかぎかっこを作ります。
3 なるべく今のあなたに
素直な言葉を挿入します。
4 そのまま両手を中心に向かって近付け
長方形 ....
地下鉄のホーム
ベンチの下に
コロがる
アサヒスーパードライな時代
犬も猫もカメさえも
よっぱらう
そんな時代
誰もが皆
目に
毒をもり
も ....
聞きたくないことは聞かなくていい
見たくないものは見なくていい
耳を塞いで 目を瞑って 心を閉じて
汚いことなど 醜いことなど 知らなくていい
綺麗なままでいいんだ
真っ白のままでいいん ....
(ALL GUNS BLAZING)
不幸が幸運を生み
暴力が正義を生み
状況が思想を生み
民衆が王者を生み
愚かである事が知恵を生む
そのどれもが正しく そのどれもが偽り
ただこれだけ ....
午 睡
こうず まさみ
魚市場のある海岸で
初老の夫婦が 釣りをしている
2、3本ずつ釣り糸を垂らし、
のんびり水面をながめながら
平日の午後だから
この夫 ....
きょうハルミちゃんがくる
あたしにはおねえちゃんがいないから
ハルミちゃんがおねえちゃんのかわりとか
そんなたるいりゆうじゃない
だって妹にとってあたしはそんななまやさしいものじゃないし
....
駅には
西口と東口があるけれど
どっちに行けばいいの
陽が昇るのは東だけれど
どっちに行けばいいの
僕たち迷子だ
生まれたときから
古い月を見ている
古い星を見て ....
みんなが春だ、桜だと言いながら
街を散らかしていくから
僕は、脇目もふらずに
黙って通りを横切っていく
君に
サーの称号をあげよう
サーの称号があると
会社説明会会場のすぐ近くに
....
カタクて アオクて ニガイ時期
紺色のヨロイを脱ぎすてると
だんだんと萌え出るやわらかい息吹き
開け放たれた扉から
しなやかに たおやかに ゆっくりと
きざはし登る
....
アウトサイダーな空間を
ひょいとのぞいたことから
サーバーを介するつながりをもつことになった
実際より10才も若く
ふるまうカノジョは
サザンが好きなかわいく淋しい女性だった
年齢 ....
風に乗って流れ聞こえるピアノの音
集中力が途切れて
ふらふらピアノの前へ
「お前は俺を惹きつける何かがあるのかい?」
そっとピアニッシシモで呟く
破れたスリッパから
グロテスクな肉 ....
崖っぷちでお父さんが寝ていた
風邪などひかないように
布団をかけてあげた
ああ、これは夢なんだな
と分かって目が覚めると
崖っぷちで寝ている僕に
お父さんが布団をかけてくれていた
細い腕 ....
君の表面を覆う僕
目に入れても痛くないし怖くないだろ?
まるで一緒になったきぶんだね
でも知ってる?
僕に汚れとかがあったら
君は痛くて涙を流すんだ
....
5526℃の太陽熱は
約1億5000kmかけて地表に届き
夏にはいやというほど
冬にはものたりないくらい
ぼくらにその存在を感じさせる
ヒトの体温は
魚類には熱すぎて
触れる ....
朝起きると武士だった
(拙者、もうしばらく眠るでござる
と、布団を被ったが
あっさり古女房に引き剥がされた
長葱を{ルビ購=あがな}ってこいという
女房殿はいつからあんなに強くなったのだろう ....
十月。
真っ暗になるまで遊んでいたぼくを
心配した母さんが迎えに来てくれた
手を引かれて家までの帰り道
いつも通る高橋さんちの玄関に
小さなだいだいの
無数に落 ....
もはやしとではなかった
つまり藻は、
一緒に暮らしていた椰子と
買い物に出、
花を買ったのである。
苛々 )))
「ちがうちがう、
もはやひとではなかった
あ、
しと ....
知らないよ!!!
ぼくはまだ無知で白くて真っ白で真っ白で
真っ白で真っ白でいつもお庭をぐるぐる
駆け回っているから
知らないよ!!!
大きい人はなんでも教えてくれるんだけど
ぼくには大 ....
ボンネットの上で暮らしながら
おれは浮き輪の目立つ格好をしている
二酸化炭素が好きで
画鋲がきらいだった
クレヨンの先がつぶれて
壁にめりこんでゆく
....
1 2