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まだ、淡い光の粒が
生温い風に乗って
私の目の前を
きらきらと通り過ぎた
限り無く空に近い
窓辺から首を出して
その、行く手を追い掛けても
追い付ける筈は
なく
....
君が僕に触れた
その指先から、ほどけて
僕の身体に巻き付く
見えない包帯に
なってしまえたら、いい
息をする度に
ひらひらと揺れて
いつか、二人の匂いが
一緒になっちゃ ....
ゆらゆらと揺れる
木々の間で
風に吹かれて
瞬きを思い出す
一つ、ぱちんと
音をたてて
瞬きをしてみると
風がそっと
頬にキスをした
吸い込まれそうな
深い、青の ....
黄色のチョークが
規則正しく
ステップを踏む間
私は目をふせて
逃避行を開始する
説明を模したような
子守唄が
耳に語りかけて
私の身体は空へと
浮かび上がっ ....
カーテンと
鉄骨の隙間から覗いた
スカートを捲る
そこに、秘密はない
白く染まった床と
天井の間で眠る
ストッキングを破る
そこにも、秘密は見当たらない
ステンレスの ....
ゆるすことにつかれてしまった
ひとりのせいめいたいは
とけいのはりをおって
じかんをとめて、しまった
はりとはりのあいだで
だれかをまちわびている
そのまま
うずくまっている
....
カーテンが頬を撫で
柔い夢を
そっと与える頃
ワタシという私は
教室と意識の狭間で
青インクを
走らせている
緑を模した声音が
頭上を掠め、そして
空へと還ると
ワタシは私に ....
水面に映るのは
あの日の残像
決して、私の顔なんかでは
ないこと
分かっている
溶け込むことは
容易なのだけれど
「ただいま」を言うことは
何よりも
何よりも難しい
気がする ....
とっぷりと
暮れた空の中で
赤に染まりたいと願う
透明な私を
あの赤で彩ったら
なんて、なんて素敵なんだろう
と思う
折角なら
あの黒い鳥にも
絵の具になって欲しい ....
暗闇に置いてきた
僕は脆く
崩れ落ちて
反響に似た響きで
誰かの声が
木霊している
あの街で見掛けた
黄昏時のカフェからの
芳しい香りよりは
(分かりきった事だが)
暗いもの ....
黄金のかけらが
風に、吹かれている
だんでらいおん
綺麗だね
とても綺麗
アスファルトの
ど真ん中
仁王立ちしているさまが
とても
だんでらいおん ....
僕らの世界には
差別なんて
なくて
自然の産物だろうが
加工品だろうが
みんな
同じようなもので
ヒトだって
元は同じ
だったのに
....
ぽろぽろ、と
止まらなひのです
(それはあたかも)
言葉が
止まらないかのように
緩く
柔らかに
止まらなひのです
昨日、最後の宇宙人は ....
駄洒落みたいに
ほっとけ、なんて
言えたなら
幸せ
なんだけれど
(この気持ちは)
(いかんせん、自己主張が激しいので)
ミックスにして
暖かくして ....
想像したよりもずっと早く
世界は作り変わって
僕だけが一人
真ん中で体育座り
バラバラに並ぶ標識には
「これはするな」、や
「あれをするな」、の
禁止の言葉ばかり
どうせな ....
待ち合わせ場所で見た
不確定な幸せは
絶えず言葉を紡ぎながら
鼻歌も絶やさない
空に還る事だけを望みながら
僕は僕を
君は君を
生かし続けて居る
無意味なら無意味で良 ....
包み紙を、外す
独特の
ぱりぱりって音
もう
聞き飽きてる
口直しにカルキ水
まだ、甘ったるい
口内がだるい
包み紙を、捨てる
隣で
....
街行く人たちの背中に
「半額」シールを貼っても
きっと
ほとんどの人は
誰にも買われやしない
買われるのは
外見が良い人
ばっかなんだろう
クラス全員の腰に
ライダ ....
溢れ出したそれを
上手く、染み込ませて
作り上げるの
その後に
何で彩るかは
勿論、
作り手次第だから
甘酸っぱいあれを
乗せよう
そして
....
他と
見た目が違うからと
除け者に、された
溶かせば
甘くなることや
そのままでも
他と
何ら変わりないことを
誰にも
気付かれずに
元は ....
先週
僕らは熱を出し
2人で布団に突っ伏した
「熱いね、風邪かな」
「私もよ」
病院行こうと思ったが
インフルエンザじゃ
ないらしい
「熱いね、何か ....
一日だけ、と言って
黒板と呼ばれた
緑色の物体は
たくさんの文字で、化粧
昨日の涙は、嘘じゃ
嘘なんかじゃ
なかったんだよね?
第2ボタンが
ぷらぷらと、揺れる。
....
使い古した深夜帯から
紫色の空気が、香る
気付かれないようそっと
あたしは息をする
古くなった声は
黄色く傷んで
吐き捨てられていく
あの日の家はどこなの
あの日の声はどこ ....