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おとうふやさんに
おとうふかいにいくのよ
あたまのうえに
ぶりきのせんめんき
のっけていくのよ

わたしのおとうさんはおかねもちよ
わたしのおかあさんはびじんよ
たくさんのおうたしって ....
何故この世界は
こんなにも{ルビ靄=もや}掛かっている
まるで行く手を{ルビ阻=はば}むような
分厚い幻想

危うい強さで
線香花火の未来を見るような
脆い理想…と希望
崩れそうだ
 ....
金属にぬくもりがないのなら
肉体を使おうか

地下道に
ヌルヌルと体液が染み出していく

酒の匂いを掻き消すべく
朝の振動音が体液と共振する

芋虫
初めて指輪を贈った人は
彼女ではなくて
母だった


『ビューティフル・リング』



僕は7歳で
母に連れられて
縁日の夜店を廻っていた
ふと
屋台に並んだ
ガラス玉の指 ....
嘘っぱちだ嘘っぱちっつって
神様にすら中指を突き立てたんだよ
さっきの話だよ
もちろんそれすら嘘っぱち
詩を書くための嘘っぱちな訳で
UFOを信じられた頃に戻ってみたら
ミステリアスな特番 ....
瓜が実った
そう書いたのは何かのメタファーじゃない
気分
携帯電話が止まった
そう書いたのは何かのメタファーじゃない
惨め
そこに、常にある自分
それを綴るだけ
何か深い意味があるとす ....
 明かりが灯らない側道を
 綱渡りしてきた午前1時の伏見港公園は
 トラックの行き交う騒音と
 今年初めて聞く虫の音に染まっていた

 オレンジ色した街灯が
 川の水面に反射して
 誰一 ....
飛行機が高度を下げ
雲の平原が途切れると
一面の白い大地が現れた
ところどころに
きれいに刈り揃えられた陰毛のような
針葉樹林の群れ
一列であったり、林であったりする
その間をアスファル ....
春雷が鳴る度に
回廊に籠もるので
駕篭かき風情が

嫉まれている

回廊を出たら
富士山が見えた
のろのろ歩いていたので
後方からの
人力車に抜かれて
お客さんに叱られる
抜 ....
警察官の股の間から
黄色いプラスティック板の
赤い数字を盗み見るのが毎朝の日課
0に胸を撫で下ろし
1に涙腺が緩む

慢性化した殺人劇が
ガードレールを挟んだ先で上演されている
観客を ....
剣を握ったマネキン通りの石畳
濡れて滑りやすい
閉店間際の商店街
石を握り
各々徘徊する
店の奥に
羽虫を詰め込んだ木箱らしき
立方体を置く
らしき
スペースらしき
宇宙を用意して ....
しんしん
冷たい 蛍光灯
冷たい 磨り硝子
朝の それらの冷たさの
白い薄荷を
しんしん



ああ 恥ずかしい
氷の前触れの指先はなんだって
まだこんなにも赤い?

 ....
じゅぶつをつくってごらんって
くりはらせんせいが こっそりおしえてくれた
おとなになって たいせつなひとができたら
そのひとだけにみせるんだよ

すてられてあったもの
たぶんほ ....
いつか食卓に青い鳥
それは一羽で充分過ぎる
メインディッシュは程遠い
一体何羽を食したか
前菜鳥 前菜鳥 前菜鳥
カリカリになった白い骨
ただ白き色をしゃぶる日々

いつか食卓に青い鳥 ....
プラットフォームで 日陰のベンチに坐り
僕は詩を書いていた
いいや君への手紙だったのかもしれない

白い午後
静かな校庭のこと
いたいけな青空のこと

いいやそんなことじゃない
間奏 ....
雷紋の刺青は火傷できえて


  砂塵の街にジャンビーアはおいてきた


   砂の海にはねるウサギはきんいろ



    狂暴な太陽はみんなを干物にしたがってるんだ


 ....
青臭い匂いが
つんと鼻をかすめ
風格ただよう大木達は
ささやかな密約をかわしている
静寂に耳をすまし
一歩
ゆっくりと踏みだすと
山猫が背をのけぞらせ
大あくび
ぽっかり空いた暗闇に ....
それはすてきな
なつのそらを
かついでかえったのに
いない

なつくさのみどり
たっぷりと
しみこませたのに
いない

さっきとったトマト
しおかけて
きゅーっとうまいのに
 ....
煙が隙間を埋めていくので
わたしは思わずフタを開きました。
殻の中を出たいと思っても、
そこまでひらめく元気はありませんでした。

煙が抜けたときに
貴方はとっても怪訝な目をして、
煙を ....
夕陽の、
あの世界の全てを焦がしかねない熱量を持つ
直情的な眼差しを
一身に受け止めるたおやかな雲
火傷を恐がらずただ信じて手を広げ
柔らかな身体で抱き止めるその姿が
僕を魅了してならない ....
高村光太郎が
智恵子の首を彫ったのは
34歳の頃だという


写真では
苔生したような絨毯の上に
白い
智恵子の首が
ぼそり と
載っている


愛なのか
悲痛なのか
 ....
てのひらに降らせたカラフルなキャンディの雨
気前よく景気よく弾けるクラッカーの紙テープ
そんなふうに

グリンピース
ぐらぐら沸き立つナベの中に
  グリンピース
放り込むのは何故この両 ....
夕焼けの嘆息、きぬごし、
漏れた光を褥とし、
少年のまどろみ。

春風が、ひとしきり、
染められた、創傷のある、頬をなで、
現実を匂わす。

少年、嘆息するが、
ひらり、
こればか ....
きみとぼくのあいだに
けされたせんが
たくさんあって
そういうふうに
きょうかいせんは
あいまいになって

こういうのがいちばん
むずかしい

きみはそこまで
ぼくはここまで
 ....
たこ焼き屋のまえで
たこ焼きが出来上がるのをじっと待っているジャリたれは
いつも実存のことばかりに頭を巡らせているので
たこ焼きくるくるするの難しい?
としつこく同じことを尋ねては
店のおば ....
溶けてしまっていたものを
元に戻すくらいの力があるなら
夜半を過ぎても止まない雨を
酸性に変える事だって容易いことなのでしょうね

容易いさ
そんなの
って言う位だったら
対価払ってち ....
銀紙を たくさん砕いてるよ

もう ずいぶんたまったよ

今日は よく晴れた日だったね

君を呼び出して

あの 高い橋の上から

砕いた銀紙を ばら蒔くよ

君に見せたいから ....
夢のような色合いの
からっぽの貝がら

心のような色合いの
砕けてしまった貝がら

チクリと指に花を咲かす


害のない言葉など
ないと知りながら
きれいな言葉を
使いたかった ....
雲は糸で動かされているのよ

これは君が私に残した最後の言葉



ここから見えるあの猫のあくびさえ
君の目には糸が見えた


庭に咲く白い花も
風が動かしているのかと問う君に
 ....
電線に疾風わたる
わたりゆく
音は
こする


鼓膜は
朝から
私を
しらせる


トタンの屋根に粉雪つもる
つもりおつ
光は
 ....
サナギさんの自由詩おすすめリスト(93)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
おとうふ- ZUZU自由詩406-9-6
hidden_future- 宙空 心自由詩2*06-7-23
- 佐藤伊織自由詩2*06-7-20
ビューティフル・リング- 蒸発王自由詩5*06-6-26
UFO- 自由詩106-5-26
さばさばしてら、はは- 自由詩306-5-18
風景に溶け込んで- 山崎 風 ...自由詩10*06-5-9
北の面影- do_pi_can自由詩206-4-17
濃縮回廊- あおば自由詩8*06-4-2
歩行者地獄- kw自由詩205-11-18
ここ観測地では- 黒川排除 ...自由詩305-11-17
正しい色素- A道化自由詩805-11-2
呪物- まどろむ ...自由詩5*05-10-16
宇宙鳥- 唯浮自由詩205-9-23
間奏曲- 塔野夏子自由詩12*05-9-19
刺青を消しに- なごまる自由詩4*05-9-18
深層区域- 大海自由詩405-8-23
いない- こむ自由詩11*05-7-27
一つぶのカプセルの中で- ヒビノナ ...自由詩305-7-25
浮島- 椎名乃逢自由詩5*05-7-25
首を彫る- 銀太自由詩6*05-6-18
グリンピース- 汐見ハル自由詩10*05-3-6
ひこばえのうた- ディレッ ...自由詩305-2-9
てがみ- なこ自由詩405-1-9
連続する立ち位置- 捨て彦自由詩1204-9-22
イーストサイド- 祐伸自由詩204-9-19
銀紙- 蒼木りん自由詩2*04-8-9
海に花- 春日野佐 ...自由詩7*04-8-4
つむぎ糸- 暗闇れも ...自由詩5*04-3-7
追儺の朝- バンブー ...自由詩604-2-2

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