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旅立ちの日に約束した事覚えてる?
どんな時も二人で乗り越えていこう
なのに何故一人で抱え込んでいるの?
君が運べないほどの荷物を
僕が持てるはずはないけど
二人で片方ずつ分け合えば
負 ....
朝起きると武士だった
(拙者、もうしばらく眠るでござる
と、布団を被ったが
あっさり古女房に引き剥がされた
長葱を{ルビ購=あがな}ってこいという
女房殿はいつからあんなに強くなったのだろう ....
満たされた月が
静まる夜に息をかけ
澄みわたる気配は
、まるで水の中
地に影おく木々の枝先は
水草のように揺らめきたって
浮かびあがる山の稜線で
青さを図る
私は膝をかかえ
天を ....
平日の午後の淡くうすらいだ日差しは
ここ植物公園の順路にも平等に降りそそいでいる
ダッフルコートを着たタイピストが古びたベンチで
自分宛ての手紙を子細らしく開いている
吐息のような西風が広 ....
首の長いキリンがポチに呟く
最近空を見上げる
涙を流さないための苦肉の策
坂本九を意識したわけじゃないけど
涙がこぼれたら
下を向いたら
話せなくなる
誰とも
もう
見る ....
鉄塔なんてものは
屹立してなけりゃなりません
全部のスイッチを押さないで
凍死するんじゃありませんか
民間のレベルでは
横顔は犯罪だそうです
ヒップはたわわに揺れるそうです
なるほど ....
無罪ではあるが越境途上の死だ
あるいは断罪された避雷針の廃墟だ
黒いチョコレートをかじりとって猥雑に事務的に
いくたびも右曲がりに滑稽なうすぐもりの空だ
五分後に規則正しく振り切られるマタ ....
用がないのなら蔑んでほしい
花瓶に毒薬を満たしてほしい
洗浄された小さな濡れた手を無造作によこして
あの虜囚の唇をバラバラにしてほしい
街頭の窓からそぞろ歩きする骸骨をみたんだ
そいつは ....
ごらん、
と指さしてみる北星座
黙ったままの唇を花のように開き
言葉ではなく感覚で知るものがたり
静寂だけが支配する夜だ
暗い森を裸の足で駆け抜け
青い草いきれの洗礼を受ける
星 ....
オーイエー
言い終わった後に後悔してばっかだから
オーイエー
目薬でも飲んでみようかと思ったりする
オーイエー
とでも言ってなきゃ罪悪感で押し潰されそう
オーイエー
嘘をつくならバレ無い ....
国語の時間は書く事が多いから
鉛筆は休む暇も無い
消しゴムは特に仕事がないから
筆箱の中で一休み
社会のテストは筆記が多いから
鉛筆は休む暇も無い
消しゴムは特に仕事がないから
筆箱 ....
雨の降る日は絵の具の匂い
絵描きも今日はお休みさ
いろんな絵の具で塗った世界も
雨がみんな落としてしまう
雨の降る日は絵の具の匂い
空も街も灰色さ
ちょっぴり悲しい色だけど
雨はみん ....
{引用=
多重の自我の
小箱たち
幾重にも
蓋われた 郷愁
霧雨の中で
冷たく濡れていた
かなしみも
木枯らしの中
いくつもに分裂しながら
泣き叫ん ....
君が食べているソフトクリームが
あまりにも美味しそうだったから
一口だけと取り上げてみたら
子どものようにすねた顔をした
僕はいつもふざけてばかりで
笑顔の君を見つめていたくて
時々本 ....
太陽の頂に北極星
銀河を彷徨う小鳥
俺ん掌で身悶え小鳥
おぉ〜嗚呼
小さな小鳥・・・・・・
君が大好きなんだ
死人に膝枕をしてもらい、耳糞を穿ってもらう
あの世の音が聞こえるぜ〜 ....
いつだって君はそうなんだ
本当は塩ラーメンが食べたいくせに
なんでもいいよと答えてみせる
そのくせ
味噌ラーメンを食べたあと
必ずこう言うんだ
塩ラーメンが食べたかったのに
アイ ....
誰もいない
鳥の声もせず
花粉ばかりが熟れて
待ちわびるのは
ただ明日
見ればただの形にも
深く意思が根付いている
轟く大気の右隅から
いつか彼らの神がやって来て
古い感傷を一新する
そばで見ている私は
戯れた瑠璃の幾変化
覗き込んだ
水が滴る空桟 ....
こわいのです
この果てしない草の海が
どこまで行っても地平線しか見えて来ない
この世界が私はこわいのです
風がびょうびょうと吹き荒れる草原のただなかで
私はひとり立ちすくんでいます
絡 ....
100億円でタイムマシンを売ってやる
偉そうに未来人が語りかけてきた
もちろん丁重にお断りした
生きた恐竜を見てみたいし、
地球の誕生を見てみたいけど
人生をやり直そうとは思わない
....
艶やかに悲しく舞い
やがて朽ち行く 姿を例え
顧みる世のひと心
愛した数を数えるように
ひとつ ふたつと ビイドロはじき
やがて泪が枕を濡らす
いっそ目覚 ....
{画像=070313231143.jpg}
{引用=
? 妖精
真摯すぎる球体に圧縮されて
解凍できない孤独
絶望は安らかな顔で
未だ眠っている
秘密にも行き場所 ....
蛍光灯が俺を串刺した
K市北区にあるショッピングモールで
俺は蛍光灯に串刺されたのだ
落ち着こうとしてうつむき
壁にもたれかかるが
そこは
だだっぴろさで
向こう岸にたどり着くことができ ....
生まれてはじめての雪に
子どもは小さな手を伸ばす
白い雪花をつかもうとする
指を開いても花はどこにもない
黒々とした丸い目が
さらに丸くなる
降る雪を
つかんではひらき、ひらいて ....
━例年大晦日の朝刊に掲載の墓碑銘を見て━
つつじが丘のもがりぶえにおののきながら
マリンパークの潮騒にうなされながら
....
メモ帳を開けて
売り上げを認める。
肥大した大地で
クシャミしながら
朝来た道を辿るので
ギンガロン ギンガロン
はみ出し野郎 ....
あなたと繋がるその一瞬に
何故だろう無性に不安になる
このしあわせが明日もありますように
と、祈りながら声をあげる
ゴーアウェイ付きまとう影よ
愛することに怯えたくない
すべて預け ....
わたし、総理大臣のあくびについて観想を述べたいの。あくびの尖端はからっからに観想してますね。あくびはフルマラソンを観想できそうですね。あくびにはどんな観想曲が似合うかしら。
わたし、川に記録され ....
夕食を食べ終えた革命家は
中国で批判され始めた魯迅を読みつつ、
その狂人と凡人の差異について暫し記憶を手繰り寄せるように、
かの英雄ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャをして
「狂気の沙汰だ」と罵 ....
女にふられたので、
好きで好きでたまらない女にふられたので、
砂漠へ行って死のうと、
そのままとかげとかハゲワシだとかに、
食われてしまおうと、
十月の運動会で俺は考えた。
町内会のかけっ ....
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