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君とアリス・ドライブの途中
蒼い森の入り口で白い車の息があがった。
僕は
車のボンネットを開けてしたたかに朝の蒸気を浴びる
ナビ・シートでは彼女のソウルが
コールタールの音をたてているんだろ ....
--僕は彼女の写真を、白く明るいハダカを忘れない
パールの明度とオレンジの彩度
君はマーメイド/マーマレード
あるいは風船でいっぱいの海/渋谷/チカ
リスカ。
チ カ
....
彼女はレースの手袋をしていた
日傘の陰の中に棲む渦巻のように道に迷い
信号を渡ると必ず赤になるのだった
僕たちは警笛と仲良くなって
赤いビートルのボンネットにひと蹴り入れてからひとごみに消える ....
太陽は権力の匂いがする
スピキュール、フレア、黒点、がひろがる
すべすべした君の肌から黒いレモンが香る。
君は喪服でフランス人形みたいに愛くるしくて
黒いレモンのペンダントをしていた
泣 ....
--おはようございます。
彼女は朝のことばを話す
僕は夜の体で受け止める
--僕たちはいつも、たとえばテーブルクロスについて、とか
あるいは縞模様のパジャマやタオルケットや
....
窓を開けてテルヒコが部屋へ入ってきた
アキヒコと名乗りわたしのベッドにもぐり込む
夜は深く闇の中で身をこわばらせるわたしの隣で眠るアキヒコ
焦げ臭さとほこりっぽさがわたしのベッドを焦がす
....
しん、や。
さびしい手
錆びついTake
ギタリス、トの指輪、のように
靴磨きの、はなうた、じ みて。
紫の夜が
南十字に降る、触れる
大理石の僕
冷たい膝を、割り砕か ....