私たちの星についての知識はすべて間違っていた、と
ようやく人びとは悟った
ほんとうの、私の不思議
ひかりの造花とは、いったい何なのか?
夜明けの湖のように
ゆっくりと色を変えまた ....
君は踊る
薔薇を 菫を 雛菊を踊る
揚羽蝶を踊る
木洩れ日を 気ままな風を踊る
君は踊る
虹を 青ざめた夜明けを 葡萄色の黄昏を踊る
波を 湧きあがる雲を 嵐を踊る
君は踊る
....
人間はたまねぎのような皮ばかりだ。どれが本当のわたくしというものはなく、あるのは薄い皮ばかり。
ニーチェ→フーコー、ベルクソン→ドゥルーズというのは中2病の系譜ではないかと思いはじめた。では、そ ....
水辺のイカロスは
梅雨の数日しか舞うことはない
ただ静かに光りもせずにじっとしていれば
もう少し
例えば
今でも草陰で静かに呼吸をしている
のかもしれない
小惑星にま ....
硝子造りの七色都市構造が、瞬間的大瓦解を経験した夜明け
かつてない沈黙と瓦礫の地に、透明な砂がきらめき流れてゆく
ひときわ目立つ明星の下、
青く波立つ薄い硝子板に挟まれて
銀の髪もつ鉄製の ....
いつからがいつまででいつもなの
普通に生き物が生きている時間
隣人はそろりとひそみ
悲しくなどないないと
はじけてしまう
つるりと 空が転んだ
雪と雪と雪 こんにちは
乱視の月を
綺麗に見てみたいから
眼鏡をかけて
見上げた蒼い夜空
望遠鏡でさらに探る
月って
こういうものなんだ
なんだか
そこまでしてはいけない気がして
いつも乱視のままでいいやっ ....
ひびきわたるときは
とてもとても ひろびろとしたところに
ただ ほうりなげるように
ひびきわたれ
さかいめのうちがわだけで
なりひびくときは
ふかくふかく くらいところまで
ふる ....
水の上の火
空の姿か
底の姿かわからぬまま
ひとり ほどける
風 息 原へ
去るを見る
砕けるを見る
散るを見る
傘をたたむ
遅い夜の色
ひとつやわ ....
この世の全てに
いくつかのちからがあります
弱いちからと強いちからと
まだ見つかっていない重力と
あとは、
みなさんが考えてみてね
と去ってしまった先生、
僕らはうなずいたままです ....
目の見えない猫に
少年が絵本を
読み聞かせている
まだ字はわからないけれど
絵から想像した言葉で
ただたどしく
読み聞かせている
猫は黙って
耳を傾けている
少年 ....
今頃 月の空は
きっと晴れていて
清々しい漆黒の空だろう
宇宙服を着こんで
壁面をそっと蹴って
晴天の黒空に浮かぶ
船の影で明滅する
私の身体
電池の切れた衛星 ....
今度
目が醒めたら
火星に行こう
歩道橋は
雨で照り輝く
軒並み車は光を
反射するので
焦点の先まで
遠く川を作る
川の音は耳の中で
なりやまないの ....
その喧騒の中にあって、ミス・ブランチだけは異次元にひっそりと佇んでいる
ようだった。水槽の中で絶えずうごめいていて他のものはひたりと動くのを止
めている。彼女は金の魚ではないのに金魚という種類だ。 ....
{引用=バージェス化石群のうかぶ
地底の暗がりで
水晶の音を聞きながら
ねむっていた
あなたへ
拝啓}
東北本線の夜行便が
山沿いの陸橋をちいさくわたり
けわしく青らむ空の奥 ....
いま桜前線は
沖縄を去って
海上にあるという
海上に桜の木があったら
どんなお花見ができるのだろう
南海のきれいな海で
大漁旗あげて船の上から
酔っ払ってゆくのだ
....
■
poem5
山田せばすちゃん
seba_yamada@hotmail.com
はためくもの
ネパールの
いや、みんながよく知ってるサガルマ ....
1 バス待ち
陽だまりの停留所に
車椅子の老人
声かけようか
たとえば
今日もお陽さん輝いていますね
でもすぐそこには冬将軍で
そのブランケットは暖かそうですね
サング ....
腰のものを赤く染めて鳥が鳴く。
うぶめ、と呼ばれる鳥である。
産の穢れに死んだ女は鳥となる。
ほう、と鳴くが聞こえるか。
生まぬとしても女は女と男は言う。
うぶめの悲しみを知らぬは幸福と ....
わたし、どこやらに極楽があるとおもう
春の山道で
垂れ下がって咲いている藤の花と
それを咲かせている木が
じぶんの花も
たっぷりと咲かせているのを見ると
山藤はがむしゃらに這いのぼ ....