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{引用=
?「ファンタジー」
昔の人にとって
地球が丸いのも
重い雨空の上が快晴なのも
青空の上が永遠の星空なのも
ファンタジーであったはず
生まれながら目の見えない ....
{引用=
陰りある微笑みの調べに
すべてをさらってゆく
引き潮
別れの日を思わずには
愛せなかった人の
去りゆく音階
背後から近づく
やさしい足音も
広 ....
以下、私の友人である故中川路良和君の処女作品集でもある『頭變木』所収の全詩篇です。
初対面より間もないころ、人には見せたことがないのだが、と中高生時代に書き溜めた作品をなぜかひそかに読ませてくれ ....
{引用=
天井の水紋に沈む
銀河の瞬きに
誘い出され
冬の花を探す
証なき白は
虚空に舞い上り
透明な肖像が
愛を囁く
山茶花の紅い花びら
....
{引用=
? 雪はまだ
君の哀しみから湧き起こった
激しい風のような
無数の精霊のような
叫びの群れが
僕を擦り抜けていく
手を伸ばして そのひとつ ....
{引用=
きみに逢うために
朝の砂浜にすわり
雲と水平線がまばゆい
陽に光り 宙を駆ける
少年の日の思い出
時間はゆっくりと過ぎてゆく
打ち寄せる
やさしい ....
{引用=
硝子をつたう小径に
痛みは流されて
遠い海に向かう
曇天の淡い輝きの下
たゆたう調べに 今日も
あなたを浮かべてみる
想像でしかなかった白い肉体 ....
文=まどろむ海月 絵=彩也香・M
{引用=
二人の人間が死ぬと、一匹の猫が生まれる。だから
猫の目は 時々 左右 色が違う。
....
{引用=
炎の涙が昇華し
散りばめられた光彩の
上空を切る高圧線の名は
一瞬に置き去りにされる
はなやぎの漣が広がり
煙の巨人は叫ぶが
底知れぬ闇は隠された
消えて ....
{引用=
誰が投げたか
空の底に小石が一つ
果てのない青い花の野に
生まれたばかり白の風紋は旅立つ
それは水溜りに揺れる夏の楽譜
硝子のまぶたに透け ....
{画像=100613231219.jpg}
{引用=
黄昏たちの回廊
夕闇に漂う影が伸び
遊び疲れた風がぬける
....
{画像=100525232036.jpg}
{引用=
微かに
星々が瞬いて
淡い菫色の
浄め ....
{引用=
五月の渚を
散歩する白い幽霊
恋人の笑顔で振り返って
消え去る
現実ではありえなかった情景に
こんなにも度々顕われ
胸を痛ませる
....
{引用=
五月の{ルビ翠=みどり}の面影は
透きとおった
風の中の
あなたのささやきに似て
ほそく葉脈のように
しのびこむ
麦藁帽子の下の
淡いほほえみ
白い ....
{引用=
? ためらう水紋
しぐれる春
名残りの花に
しずくしたたり
風もよう 波もよう
光さすらひ 想いまよひ
水紋 水紋 水紋 水紋 …
繰りか ....
{引用=
深まる夕闇の中で
水底まで透きとおった
滑らかな黒の湖水に
斜めにさし通した櫂から
膨らむ波紋 滴る雫が
清澄の音階に流れつづけ・・
静かに進む二人きりの小 ....
{引用=
午前の森の中に
七つの池を巡った
エメラルド色を湛えた 太古の静寂は
やさしい風をふくむたび
燦めく微笑みを見せた
僕たちの前の 永遠の現場
蒼空の中に ....
{引用=
? 春色チョコレート
ファッションを何度も変えて
すれ違ったのは
君の待ち伏せ
タイトだったミニスカートが
今日は薄いフレアーですか
降参してホテルの ....
酸の濃度にしか反応しない微生物がいるそうです。彼には、光も音も存在せず、酸の濃度だけで世界を構成しているわけです。
人間が色光としてとらえている部分は全電磁波領域の10分の1程度に過ぎず、ミ ....
{引用=
青に蒼が重なり
空の行方 風の行方
降りしきる水晶
しろに白が重なり
雲の行方 水の行方
絹は舞いに舞い
追憶の衣ははためき
旅人は斜め
....
{引用=
? 世界は 魔法に満ち充ちて 不思議
赤 が
赤く見えること
青 が
青く見えること
それが不思議
だから それは魔法
花が 雪が
光のきらめき ....
{引用=
? 白い虹の風景
}
{画像=10071 ....
{引用=
青空に透けて
行ってしまった
面影はみんな
浜辺の足跡
....
{引用=
星空から
あなたは振り返る
貴女はふりかえる
ともしびに重なる微笑み
細い指先
星座へと続く階梯は
途絶えたまま
この小雨のように ....
{引用=
淡い緑の中で
逆三角形の水色が
樹を見上げると
サクラではなく
古タイヤがいっぱい
なっているのだった
柔らかなまるいピンクが
身体を歪ませながら
通りかか ....
{引用=
? あの頃が来た
扉を開けると
土砂降りの雨の中に
あの頃が立っていた
あの頃とは違って見えたが
私には直感ですぐに解ったのだった
成熟した女性の姿のあ ....
{引用=
寒さよりもしみとおる孤独に
大地は沈黙している
屹立する枯れた木は
信じる力を失い
他人の顔をした
春の訪れを恐れている
蟻の巣は崩壊し
{ルビ ....
{引用=
蕾の温度の
貴女の愛
花びらを
散らすように
こぼれる
紅の 白の 黄の 紫の
言葉 透明の雫
あの日
雨の中を
歩 ....
{引用=
青い闇の水をたどって
近づいてくる
紅斑のある
白い身体
永く向き合ったまま
微かに身体を
揺らす貴女
どうかこのまま…
幸せすぎる ....
{引用=
色はにほへど
はらはらと
うゐの奥山
かなしみの
惑ひの細道
たどれども
古里さむく
風まじり
夢の通い路
ほろほろと
散りぬる淋しさ
....
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