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半月の間に二度の葬儀あり一人は身内一人は知り合い
葬礼の献花を貰い帰った日花瓶にはまだ先日の献花
二度の香二辺の念仏沁みたまま一張羅の喪服洗濯屋に出す
念仏も御香も花も間に合わぬ世界 ....
皆が悲しい時
感情が感情に嘘を付かせる時がある
「私は大丈夫だから」と言わせる
「そちらを先に」と言わせる
高齢者も子供も男も女も
誰もがそれが誠の嘘だと分かっていて
そして世界で一番短い ....
僕らには何らかの足と
時間があるのに
階段はいつも
非常口の奥で
しんとしている
「何階ですか?」
機械のゆみこが訪ねると
「トナカイです」と
どこか遠くか ....