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通りゃんせ 通りゃんせ
ほそ道に咲く梅が香に
思い出づるは幼き日
祖母に引かれて踏み初めし
天神道の梅まつり
通りゃんせ 通りゃんせ
赤き兵児帯祖母が手で
結びて咲かす梅 ....
流れ落ちるだけの空虚な時の水を
この手でせき止めてはみたけれど
やはり指の間から
少しずつ滲み出してきて
乾いた瞳を潤した
あなたの陽だまり、に
包まれていたことを ....
一 秘密の楽園
二人の世界の入り口は
いつだってこの実験室
あなたはそっと私を呼んで
脱いだばかりの白衣を着せた
袖の長さが余っていて
なんだかとても不恰好なのだけど
....