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吐息でしか呼ばれない名前があって
あたしはこれまで彼女の手によって
数々の眠れない夜を越えてきた
けれど、近頃はめっきり彼女を必要とせず
夜をやり過ごせるようになった
おそらくこの先、大抵の ....
同じ仕組みで造られたからだで
まったくちがう考え方を持って生きて
だけどたった一つのイヴから分かち合った
細胞を寄せ合って眠るのだ
今から、地球の裏側にまで
君を迎えに行くよ
だか ....
左肩が私の涙で
だらしなく濡れた
襟ぐりの広いシャツを着て
平然と煙草を吸う君を思い出す
例えばこの部屋の匂いを
消し去るものは何だろう
通勤電車の中で見た
風が変わるのを心待ち ....
首筋から
次々と抜け出していく
幾筋もの熱の糸たち
あなたを前にほどけて泣いてしまう
朝が来たり夜が来たりするたびに
揺れているのだきっと
いつだって泣く準備はできていたのだ
だから ....