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折りたたまれてゆく季節は
いつか振り返れば
一瞬なのかもしれない
湧きいずる水におされて
いま
雲母のいちまいが
なめらかに遠ざかる
使いきれなかったノートの白さ
描ききれなか ....
二日遅れのホワイトデーの
白いリボンを髪にのせて
ふわりと回ってみせる君は
大きくなったら
メイドになりたい
という
人様に奉仕したいとは
見あげた心がけだ
と
解釈は準備してお ....
あなた、セロリの透明なきりくちに
恋をしたことはあって?
栗いろの瞳
かきあげる仕草
車椅子の少女は
細すぎる膝を斜めにそろえて
やさしい朝のふりつもる ....
あなた、ルリツグミのヒナと
お昼寝をしたことはあって?
風を確かめるように浮かべた
少女の白いあご、のライン
穏やかな微笑みに
たたまれてゆく{ルビ睫=まつげ}
....
冷たい消毒槽は
三歩で渡ると決めていた
プールサイドの足跡が
しゅわしゅわと、夏にしみこむ
浅黒い肌の散らばる奥に
見え隠れする
白い朝顔
先生の御子だという
なるほど、鼻筋はそっ ....
あなた、アオウミガメの背中を
匂ったことはあって?
少女は
さして、答えを求めるふうでもなく
空と海の継ぎめを見つめたまま
潮風にふくらんだ髪を
そっと抑える
....