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走りきて吾が手をとりて飛行機雲
指さす孫は 1才と半


{引用=
   (孫=まだものが言えなかった頃)
単純に奇声を上げて喜こべる
子等に渇きし心ほぐるる

ねぎらいの言葉を明日はかけるべく
目覚時計の ねじを巻きつつ

奴凧吹かるるさまに幼子が
犬を追い行く 梅雨の晴れ間を

苔庭に ....
木の芽煮る 香を家中に満たしめて
仄な気息に浸る一時

柚の香のたつ厨辺に春の雪
硝子戸越しに舞い上がりゆく

咎むること胸にある日は釘までも
せんなきことに吾が服を裂く

雨の音聞 ....
台湾坊主荒れ狂ふニュース報ぜらる
吾家の前に鳩は遊ぶに

しきたりに鰯匂はせ豆まきて
平和を祈り節分祝ふ

待望の雨はほこりの匂いまで
室に運びて心和めり

みがきゆく茶碗の白さに  ....
ためらはず さしかけられて傘に入り
片身ぬらせし君が気になる

足悪き子雀来たり 今朝もまた
待つ身となりて エサをまきたり

枯葉踏む犬の{ルビ足音=あおと}はリズミカル
夕づく公園を ....
隣屋の塀にはびこる つたの青
さみだれに色 尚つやめきし

散歩にと さいそくにくる愛犬の
うったえる瞳に 重き腰あぐ
単純もよきときあると自らと
慰むるとき 時雨の音する


ふれ合いし手の冷たさは言はずして
春雪消ゆる早きを語る

尋ねきし人は留守にて山茶花の
散り敷く庭に一人ごちする

我が裡 ....
洗濯機の渦に心を巻き込みて
しみつく澱も洗い流せり

長雨のやみたるあとに松葉ボタン
閉ざせし心も開くがに咲く

娘が生けし菊に顔寄せ深深と
秋の香かげば夏も惜しまる

二十世紀 ....
満たされぬ言葉想いて立ちつくす
足元に身をすり寄せる猫

故里のなまりやさしく語る友
友も故里をとく出でしなり

何着ても似合はずなりし我が年を
哀れがりつつせめて紅さす

故里の老 ....
ほこりせしゴムの鉢をば雨に打たせ
ついでに心もなどと思えり

梅雨明けの豊かになりし賀茂川の
水しわに照る夏陽が眩し

云ひわけの言葉聞くとき掌に
猫のまばたく感触も知る

忘れたき ....
傘持ちて吾子を迎えに行くことも
久し振りなり雨もまたよし

さりげなく扇風機の風 吾が方に
向けてくれし子は漫画読み継ぐ

見知らぬ子 通りがかりの吾れに寄り
トンボが居るよと ささやき ....
カラヤンのレコード買いきて おもむろに
娘灯を消して聞くがよしと言う

萬緑を濡らして夕立過ぎゆくに
近江の里の深き静もり

緑濃き萩の道もいく曲りか
蓮の花咲く池に出にけり
     ....
加茂川に降る雨と共に昭和逝く
 何時もと変わらぬ景色まぶしく

編隊のかたちに鴉帰りゆく平成となる日の夕空を

永かりし昭和の御代も終焉となりて
小雨降る 夜となりけり

親しめぬ言 ....
吹雪舞ふ街並暗くなりゆきて
車の尾灯赤く際立つ


娘の買いしロシヤ民謡の低き声に
ほれぼれと聞く灯を消す部屋に


隣家に毎日来る左官屋の
両肩に今日 サロンパスあり


ま ....
吾が植えし稲は早や穂を出しにけり
そも刈らずして行く身はかなし


豊かなる無形の情は一層に
此の地離るるは苦しきものよ


娘のもらいし記念アルバム開きみれば
笑顔並びし子等達の顔 ....
なじみ深き土地を去る日の迫りきて
一日短く覚ゆ昨日今日


何事も知らぬ猫といて この土地を
離るる事を息子は言ふており


感傷にひたるひととき青梅が
音たてて落つ庭石の上

 ....
つまづきしことも幾度と田の畦に
憩いて友は遠き目をせり

来る年も々じ仕事の明け暮れに
疑問持ちつつ野面に立ちぬ

沈丁の香りあふるる庭に居て
訪ねし人の帰り待ち居る

その昔 吾が ....
水道の水を掴むと児は必死


バレンタイン 「感謝」の文字のチョコレート
(食べるのが勿体なくて賞味期限〔三ヶ月〕迄飾る)

木の実降る子供のように拾いけり
            (植 ....
鍬を肩に明日の日和のたしかなるを
友と語りつ茜さす道


亡き兄が呉れし つつじの花濡れて
五月雨暗く今日も降りつぐ


寒の水 喉鳴らしつつ飲みほして
湯上りし吾子 大きく息す
 ....
soft_machineさんのむさこさんおすすめリスト(49)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
昭和五十五年- むさこ短歌7*07-6-16
18P_「短歌2」より- むさこ短歌8*07-6-14
17P_「短歌2」より- むさこ短歌6*07-6-13
16P_「短歌2」より- むさこ短歌5*07-6-12
15P_「短歌2」より- むさこ短歌5*07-6-11
平成19年6月9日土曜日_17:45- むさこ短歌12*07-6-10
14P_「短歌2」より- むさこ短歌12*07-6-9
11P_「短歌2」より- むさこ短歌10*07-6-8
10P_「短歌2」より- むさこ短歌13*07-6-7
9P_「短歌2」より- むさこ短歌11*07-6-6
8P_「短歌2」より_〜_昭和四十年- むさこ短歌10*07-6-5
7P_「短歌2」より_〜_昭和四十年頃- むさこ短歌13*07-6-4
12,13P_「短歌2」より_平成元年- むさこ短歌11*07-6-3
6P_「短歌2」より_〜塩田より京都へうつる時_昭和三十四年 ...- むさこ短歌16*07-4-4
5P_「短歌2」より_〜塩田より京都へうつる時_昭和三十四年 ...- むさこ短歌4*07-4-1
4P_「短歌2」より_〜塩田より京都へうつる時_昭和三十四年 ...- むさこ短歌11*07-3-28
3P_「短歌2」より- むさこ短歌607-3-27
裏表紙から- むさこ未詩・独白5*07-3-17
1P_「短歌2」より_昭和三十六年- むさこ短歌10*07-3-16

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