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きみの王國と、ぼくの王國を秤に載せてみようよ。
新しい王國のために、頭の上に亀をのっけて
哲学者たちが車座になって議論している。
百の議論よりも、百の戦の方が正しいと
将軍たちは、哲学者たちに ....
{ルビ誰=た}が定めたる森の入り口 夜明には天使の着地するところ *
睡つてゐるのか。起きてゐるのか……。
教会の天井弓型にくりぬいてフラ・アンジェリコの天使が逃げる *
頬にふ ....
彼には、入れ墨があった。
革ジャンの下に無地の白いTシャツ。
ぼくを見るな。
ぼくじゃだめだと思った。
若いコなら、ほかにもいる。
ぼくはブサイクだから。
でも、彼は、ぼくを選んだ。 ....
教室が半分水につかっているのに、先生は黒板の端から端まで書いてる。ばかじゃないの。「ばかやろー」って叫んだ子がいる。どうせ街中、水びたしなんだけど、せめて学校でくらい、机のうえに立って、濡れない ....
引っ越してきたばっかりなのに、
ほら、ここは、神さまの家に近いでしょ。
さっき、神さまが訪ねてきたのよ。
終末がどうのこうのって、うるさかったわ。
だから、持ってた布団叩きで、頭を叩いてや ....
昼に、近くのイオン・モールで
いつも使っているボールペンを買おうと思って
売り場に行ったら、1本もなかった。
MITSUBISHI UM-151 黒のゲルインク
ぼくの大好きなボールペ ....
古い家だった
古くて大きな家だった
子どもの目には
それはとても怖いものだった
しかし、大人になったぼくの目には
それは、それほど大きくはなくって
子どもの頃に描か ....
きみに死んだ弟をあげるよ。
もうじき死ぬんだ。
そしたら{ルビ暴=ほたえ}たりしないからね。
もう駄々をこねたりなんかしないからね。
手間のかかんない
とってもいい子になるんだ。
....
三月のある日のことだった。
(オー・ヘンリー『献立表の春』大津栄一郎訳)
死んだばかりの小鳥が一羽、
樫の木の枝の下に落ちていた。
ひろい上げると、わたしの手のひらの上に
その鳥の破けた ....
わたしがきたのは、義人を招くためではなく、罪人を招いて悔い改めさせるためである。
(ルカによる福音書五・三二)
目がさめると、アトリエの前に立っていた。
──子よ。 ....
いつから、
あそこにゐるんだらう。
日溜まりの向かふに、
声がする。
日溜まりの向かふに、
声がする。
わたしの声だ。
それは、
....
月の夜だった。欠けるところのない、うつくしい月が、雲ひとつない空に、きらきらと輝いていた。また来てしまった。また、ぼくは、ここに来てしまった。もう、よそう、もう、よしてしまおう、と、何度も思ったのだ ....
目の前に一本の道が現われた。
この道を行けば、海に出る。
ほら、かすかに波の音が聞こえる。
見えてきた。
海だ。
だれもいない。
天使の耳が落ちていた。
....
手をコピーする。左手をコピーして、右手を
コピーする。腕をコピーする。左腕をコピーし
て、右腕をコピーする。顔をコピーする。光を
見ないように、目をつむってコピーする。肩と
胸をコピーす ....
I
どの、骨で
鳥をつくらうか。
どの、骨で
鳥をつくらうか。
{ルビ手棒=てんぼう}の、骨で
鳥をつくらう。
その、指は
翼となる。
その、甲 ....
soft_machineさんの田中宏輔さんおすすめリスト
(15)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
王國の秤。
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田中宏輔
自由詩
15*
25-1-3
Opuscule。──Dedicated_to_Ms._Ta ...
-
田中宏輔
自由詩
10*
24-7-31
マールボロ。__
-
田中宏輔
自由詩
13*
24-6-16
水没都市。
-
田中宏輔
自由詩
9*
24-4-1
鳥籠。
-
田中宏輔
自由詩
13*
24-3-9
Ticket_To_Ride。
-
田中宏輔
自由詩
15*
24-3-2
影
-
田中宏輔
自由詩
14*
24-2-25
絵日記。
-
田中宏輔
自由詩
14*
24-2-18
陽の埋葬
-
田中宏輔
自由詩
10*
23-9-11
陽の埋葬
-
田中宏輔
自由詩
9*
23-8-28
陽の埋葬
-
田中宏輔
自由詩
12*
23-8-14
陽の埋葬
-
田中宏輔
自由詩
13*
23-7-31
陽の埋葬
-
田中宏輔
自由詩
14*
23-7-3
コピー。
-
田中宏輔
自由詩
15*
23-6-26
骨。
-
田中宏輔
自由詩
14*
23-6-5
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