すべてのおすすめ
 抽象画家が描いた
 うつくしくはりめぐらされた運河
 本流が支流になって
 クモの巣状の千の川になる
  ―― そこに
 ジェルマン
 という街がある

 静電気をおびた ....
 いくつもの
 ヒルとヨルとを重ねあわせた
 一枚の都市の風景画と
 そこのみで生きる人物が描かれているとして
 かれは
 どこのマチカドを
 いくど
 折れまがり
 バス ....
 すれちがったトラックには
 零れるほどのいのちが
 ひしめいていた

 通勤車両ではこばれる
 ひとみたいに
 いっせいに体をゆらしていた

 くろい体毛
 くろい顔
 ....
 あんなにも忙しくぼくの脚はうごいていたのに
 それいじょうに
 踏みしめていたものの方が素早いなんて
 なので、いつまで此処にいられるか
 ぼくはじっさい
 心もとない気分です
 ....
{引用=
 草の先を
 むすんで
 おくのだという

 悪戯心
 という
 生易しいものではない
 もっともっと切羽詰まったもので

 おさない死児が
 先に逝った親しいもの ....
 死んだら二十八グラム体重が少なくなるって
 それがひとのタマシイの重さらしいよ
 と、どこから聞いてきたのか
 娘が言う

 父はおもう
 タマシイに重さがあるなら
 物質 ....
 マヨルカ島にふきよせる地中海の青い風をすくいとる
 ピアニストの手のひらは白い
 葉叢を束ねる小鳥のさえずりに頬ずりをして
 月光にきらめく細い爪をみつめていた

 風の家にあ ....
 親分が死んだ
 翌日は
 空がどんよりしずみこんでいて
 さかんに落ちる公園の黄葉たちをみていた
 車内の
 十月


 か。


 なやまされていた
 か。
 ....
 トゥクトゥクの傍らで赤い夕日を待って
 犬は
 なにもしていない真昼
 なにをしているのだろう、そこで
 みずからの首に首輪をつけ
 ひもをつないで

 犬って
 なにも ....
{引用=



ふいに落ちてくるのは声
ねむりを破る声

とどまることなく走りつづける
でんしゃのなかを
でんしゃと同じ速度で疾走する男がいて
疾走する男のその努力をもし徒労という ....
 光に目を凝らすと
 色彩が失われ
 あらゆるカタチはこわれている
 ひとつの塊にしかみえなくなっている

 蠢くものの姿がみえない
 ほかと選別できないから言葉がうかびあがら ....
 その身を削いでゆく
 どこまでも
 いつまでも
 と、いうわけにはいかないのだ
 だれであっても
 どんなひとであっても

 あげくの果て
 使いものにならなくなった
 ....
{引用=

 またいつもの
 自転車にのって
 ぼくがむかっていた
 先とは
 どこだろう

 でも
 いまは
 どこだろうがかまわないおもいでいっぱいなのは
 はたして
 ど ....
渡 ひろこさんの石川敬大さんおすすめリスト(43)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
架空の街のロビーにて- 石川敬大自由詩17*10-12-17
戦場の外れにあるコーヒーショップで- 石川敬大自由詩13*10-12-16
運ばれた先で待っているもの- 石川敬大自由詩19*10-12-2
きせつにサヨウナラをして- 石川敬大自由詩22*10-11-23
むすぶという祈りの方法について- 石川敬大自由詩2010-11-7
結界を出入りするもの- 石川敬大自由詩2010-10-31
ショパンの手- 石川敬大自由詩1810-10-26
赦されるの蚊、この殺戮は。- 石川敬大自由詩1810-10-9
国境ちかくの町かどの犬- 石川敬大自由詩2010-10-7
でんしゃのなかにふる雨は声かもしれない恋かもしれない- 石川敬大自由詩1810-9-1
ピアノ協奏曲「月光」- 石川敬大自由詩2110-8-28
おじさんはガンジス河のひと粒として- 石川敬大自由詩1710-7-12
日曜日のカエルは旅好きである- 石川敬大自由詩2810-6-27

Home 戻る 最新へ
1 2 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する