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数字の背景に
眼差しがならんでる
いくつもの湿った瞳が加算されて
とても大きな数字になってる

僕と君の質量は
あいかわらずのままで
変わったことと言えば
合わせた瞳と
合わせられ ....
五月が
裏口から入ってきて
玄関から出ていくところだったので
私は少し呼び止めて
今こうして二人でお茶を飲み
別れを惜しんでいます

何もはなさずに
はなすことなどもうなくなったから ....
 
その奥にはいつも
僕がいた

誰かの家があって
誰かのように
そこで暮らしていた

その奥にはいつも
T字路の
道がふたつあった

僕はその部屋にいた

時々わからなく ....
小学生の頃、父と釣りに行った
昼過ぎから夕方まで
魚は一匹も釣れなかった

はら減ったべ?

タバコを吸いながら父は
僕にそう聞いた

きゅうにおなかが空いてきて
おもわず
 ....
真っ白な消しゴムで
夜の闇を消すと
鉛筆を持った妖精が
朝を描く

僕は思い出す
間違えては文字を消し
覚えたての言葉を
何度も語り直していた

たとえ間違えても
きっと正しい ....
何か大切なことを知らないまま
僕らは生まれた
何か大切なことを見つけるため
僕らは生まれてきた

僕らはまるで
食べても食べても太らない
アフリカの子供
満たされない気持ちは
 ....
妻が増殖しているのを
街で見かけた
その数はおそらく
億単位だった

そしらぬ顔で
妻が帰ってきた
一人だった
いつも通り
二人で夕食を食べた
お母さんが本当は
恋愛結婚だっ ....
二十世紀らしく
賑わっていた街が
二十世紀の博物館になった
二十一世紀の街

欲しかったものは
当時の十分の一ほどの
価値で手に入る今
戦争の意味さえ
その程度のものだったらし ....
遠方の空から
羊の手紙が届く

あなたは
読みかけの夏に
栞をはさむ

本棚にある
羊の数ほどの秋は
夢から覚めたばかりの
赤い枕だった

隣では不眠症の女が
羊を数えながら ....
渡 ひろこさんの小川 葉さんおすすめリスト(39)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
数字の背景に- 小川 葉自由詩408-5-26
五月- 小川 葉自由詩608-5-20
T字路- 小川 葉自由詩408-5-15
タバコの思い出- 小川 葉自由詩808-5-3
消しゴム- 小川 葉自由詩308-2-7
アフリカの子供- 小川 葉自由詩3*08-1-13
確率- 小川 葉自由詩4*08-1-12
博物館- 小川 葉自由詩207-12-6
赤い枕で眠る女- 小川 葉自由詩307-8-11

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