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奥へ奥へ
枝の洞に
鳥のかたちの灯が燈り
迷いの声で話しはじめる


強すぎる光が
目に残すしるし
指が指を
抱き寄せるしぐさ


夕陽を知らない川を
流 ....
三つの影の
ひとつには羽
見えぬものの傍ら
口笛を吹く


道は森となり
曇の花 泡の花
原めぐる川
降りつづく雨
はじまりの雨


風をくぐり
風をくぐり ....
五つとひとつの指で実をささえ
右は左の午後を見わたした
こぼれゆくものを
見わたした


鉄とガラスのはざまの蜘蛛
ずっと光を投げつづけている
陽でも灯でもない
雨の ....
両端から両端へこぼれる
曲線や
歪み


音や温度
どこへでもゆく
手のひらの斜度


細いもの 丸いもの
煙のち羽
光のち水


絨毯の上の恐龍と
黒 ....
水の子ども
鏡にしるしを
つける子ども
今日は 離れて


泡の手と手
ひともとの
すべてがすべてに
あきらかな夢


青と 次の色
半分の径
仕草 ....
心は刃
心はまわる
心は発芽
心は背骨
無いものの羽


泣き声が揺れ
振り返ると海に山に居る
空から直ぐに
降りてくる指
誰もいない街を描く


灯る ....
霧の音を
水の音が割り
沈む虹を追う
流れない冬ばかりを
追う



ゆうるりとうすいまばたきが
冬の窓をすぎてゆく
内と外は
眠りながら見つめあう


火 ....
土のにおいの月がいくつか
夜から朝へと転がってゆく
鏡を造る鏡
暗い水と溝の道


星と星のあいだのむらさき
へだたりと境の腕
羽と羽のあいだに起ち
剣のように
 ....
実が実を噛んで
光は動く
うねるかたちが
午後をなぞる


あたたかい布
罪びとは
そこにそのまま
あたたかいまま


咽 骨 頬
まるい羽
かたち ....
ふいに終わる日
規則と壁の絵
路から径
灯と声の重なり
角から角
持たざる夜に
ひとつ わたす


棄てられた標の山を
風は昇る
地と空の雪
むすぶ波
真昼の ....
行方満ちる目
未明ひとつ触れ
踊りかなしく


ひと呑みひと呑みが
耳につもり
うなじを下り


冬の馬が削る
原 崖 丘
かけらを ふりほどいて

 ....
風のなかを
風になれない音がすぎる
到かない光が
夜を見ている


凍った川のむこう
動かない夜
音のいちばん熱いところ
炎の奥に鳴り響くもの


姿のうし ....
右手が
左手を透り先へゆく
何かに触れる
何かを透り
さらに先へ


おおら おおら
ときく ときく
揺れに満ちる水
すきまなくすきまなく
兆しではなく  ....
尖った耳の荒地から
顧みられぬ広場まで
青と灰と青と灰
敷きつめられては動いている


手から手へ
骨から骨へ
やわらかく淡い月齢をひらき
ふたたびみたび閉じてゆ ....
    雨が光になるときに
    置いてゆく穂は十の色
    水銀の譜の散る窓に
    まぼろしのかたちが来ては去る


   爆ぜては透る
   限り ....
速さを速さに過ぎる文字が
すべてすべて骸骨に去る
平らな井戸よ
容れものの子よ


二重の息や光の帯
朝へゆく朝 止めもせず
ただ見送ればその先に
二重の雨の ....
ふりかえるこども
うれしいこども
こそばゆいこども


うたうこども
己れの行方
曇の行方
同じこども


雪の手のこども
夏には夏の
陰のこども

 ....
干からびた冨を聴いている
背の高い真夜中の
影しかない影を知っている


どこへ向かうのか
右も左も無数にある
何も映らない鏡のプラカード


夜の目をした巨人 ....
闇のなかを 群れがすぎる
音は光り 見えなくなる
低い午後に
指ひとつ残る


二色の霧
陽の渦の橋
冷えた片目
手のひらに隠す


白い花の背
浴びては ....
たくさんのこぶ
たくさんのこぶ
ブラインドの空の切断面
白わたる光
目に触れる光
滴をまさぐる指の腹
かたちをかたちに呑む光








 ....
水のそばに
水の羽があり
四つの水を映している

ひとつだけ蒼い波が来る
ふいにひろがり すぐに消え
ふたたびふたたびをくりかえす

窓に打ち寄せ
つもる影
屋根のつら ....
音の闇があり
むらさきがあり
白い泡を染め
闇を抜ける


夜の会話が屋根を歩き
窓から入り
まばたきに驚き
再び出てゆく


夜に咲く花と脇道
小さく手を振る気 ....
音の陰の音たち
ゆうるりと振り向く
何もない場所に
署名はかがやく



落ちそうな首を片手で支え
どうにか眠り
どうにか覚める
音を見るたび さらに傾く

 ....
指のはざまの双つの水
そら抄い空すくい
小さな渦に満ちる水


音がほつれ ほどけゆく
こぼれ たどり
道になる


毛羽だつ古い衣の袖を
水や鏡にそよがせて ....
だらしない服が
花のように香る
からだの線が
浮かんでは消える
あなたは
無言にたなびく


降る曇
くちびる
とじたまなこ
うしろあたま
ひとつかがやく
 ....
轟々とひらめく光に立ち
剥がれ落ちる痛みを聴く
壁の上で
ひとつはひとつに終わりなくつながる


こころみではなく
そのままを受け入れ
羽は生まれつづけている
火は  ....
鳥の声 泡の音
鳥の声 泡の音
水のなかで
鳴いているのか


目をつむり
そこに居るものに会う
半分にし 半分を使い
残り半分が雨になる


わからないものを ....
誕生がある
触れずとも知るかたちがある
ざわめきの道のかたわら
夜を照らす骨に集う


晴れの下の輪
飛びたとうとする硝子には
溝を泳ぐ矢印がある
従わぬ背のまたたき ....
まだらな午後の嗚咽を受け
震える水の膜の指
またどこかへ連れ去られ
またどこかに立ちつくす


ゆうるりと巡る音がある
出口を持たない入口がある
飾られすぎた光を燃して ....
朝の頭は
子蜘蛛の巣だらけ
顔はいたずら描きだらけ
つるりと洗って家を出る


雨で合羽で自転車で
前しか見えない馬車馬の道
そばを小さな合羽の群れが
わいわい言ってつい ....
渡 ひろこさんの木立 悟さんおすすめリスト(39)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冬と行方- 木立 悟自由詩412-4-25
夜めぐる水- 木立 悟自由詩411-11-14
ノート(雨と王座)- 木立 悟自由詩411-8-15
夜に落ちる- 木立 悟自由詩211-4-18
ノート(ひとつ_こども)- 木立 悟自由詩811-4-15
ノート(ふるえのあとに)- 木立 悟自由詩511-3-21
冬へ_夜へ- 木立 悟自由詩1311-2-7
ひとつ_約束- 木立 悟自由詩1511-1-19
ノート(ひとつ_けだもの)- 木立 悟自由詩410-12-15
ひとつ_はずれ- 木立 悟自由詩210-12-13
午視- 木立 悟自由詩710-11-3
ひとつ_ほとり- 木立 悟自由詩710-10-14
降り来る言葉_XLVII- 木立 悟自由詩510-9-20
めぐり_えがく- 木立 悟自由詩5+10-8-18
ひとつ_めぐり- 木立 悟自由詩610-6-30
夜めぐる夜_Ⅳ- 木立 悟自由詩610-5-15
ひとつ_こども- 木立 悟自由詩309-8-26
去離音- 木立 悟自由詩309-5-5
ふちどり- 木立 悟自由詩509-4-24
ノート(45Y.1・22)- 木立 悟自由詩209-1-28
時と音- 木立 悟自由詩708-9-30
時と夜- 木立 悟自由詩1608-8-18
空と魚- 木立 悟自由詩708-8-12
逡巡- 木立 悟自由詩5+08-7-15
海辺- 木立 悟自由詩1108-7-12
かたち_またたき- 木立 悟自由詩208-7-10
冬と道- 木立 悟自由詩208-7-8
夜と羽- 木立 悟自由詩508-6-26
ひとつ_まよう- 木立 悟自由詩608-6-14
ノート(雨の日の里)- 木立 悟自由詩208-6-12

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