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オメエ、死ぬのかい
――だったらよう、
せめて逝く前に鮨食おうぜ
肝っ玉据えて、俺と鮨食えよ

粋な麻暖簾くぐってさ
どうぞ勝手に席へ就いちまいな
捌いたネタと酢飯の匂い、
舎利の温( ....
水玉模様の細い首輪を嵌めた
羊みたいな純白の犬を従えて
リードを手に黒縁のレイバンが座る、
ゆらゆらと木漏れ日の蠢くベンチ

――お姉ちゃん、犬が好きか?

ああ、こいつビンゴっていう名 ....
こころ秘かにそう呼んでいた

――温泉宿ではなく海辺の一軒家を

灰褐色をした雑木林と
露出した山肌が囲み、
いつからか戻らなくなった主の代わりに
月に一度か二度、ぶらり現れては泊まって ....
冬枯れの木立のつづく泥濘の道、
小さな水溜りに爽やかな青空を映して
名も知れぬ誰かの、
虚しく残した懸命な足跡を
突然、山の麓から軋む音ともに登ってきた
四角張った黄色い一匹の獣が、
鋼鉄 ....
パテル・パトルム――
即ち、パパだ。

今日もパパは二日酔いで、
おまえたちはバレエを観に行ったけど
そんな日曜日の真昼間から
男が家にたった一人、瞑想に耽る

深潭たる無意識の下層へ ....
浅瀬に繁る葦たちを敏く一望に過ぎ、
彼の地エジプトでの安らかな暮らしを恋う
されど、ああ。すでにサファイアの瞳に囚われたこの身
ただ、鉛色の心に惹かれては哀しみを知り、
涙の雫で翼を濡らしてさ ....
胸の想いは、
薔薇色の珊瑚だよ

だから貧乏だなんて
口が裂けても
絶対に、
言ってはいけないよ

こんなふうに、
今は。
志のある人なら誰でも
・・・・とても
苦しい、時代だ ....
幽かに残された血の色が、
うっすらと赤く滲んだ )))
香ばしく焼けた肉の塊りを
荒々しく丸ごと無造作に載せ、
じゃが芋と人参のグラッセで飾った
輝く、銀のオーバルトレー

猥(みだ)り ....
パリ、
バンコク、
アムステルダム
アブダビ・・・・

ひとりゝが克明に、
肌の毛穴を映し
【二十四】の顔たちが
闇に浮んでいる

それ等は瞬きをし、
呼吸し
ときには咳きこん ....
紺碧の輝きを放つ
カラスアゲハの翅が
百合の花のつよい匂いに紛れて
大きくひらくのを見た

静止した夏の庭。

そこに私がいる
分岐の先に、
意識が流れてゆくのも――
移ろう涼しげ ....
境界の打ち水、
風が死んだ下町の昼下がり
狭い裏路地を通りすぎる
黒い日傘を差した女

夜に咲く花が匂う、
鉢植えの月下美人が
錆びた郵便受けの真下に
只ひとつ置かれていた

よう ....
数多(あまた)の田は
既に水が張られ
夜ともなれば蛙が鳴き、
やがて狂おしいほどの肌の火照り、

野鯉を釣った後の
烈しい血の騒ぎも抑えがたく
儀式は、六月のうちに
さも義人を装って
 ....
清しく、邪な風に
華奢な下肢をさっと隠した
裾広がりの白地に
ピンクの薔薇の咲くスカート

立襟のブラウスに
光る栗色の髪を
ながく垂らし
ただ、甘く春に散る
花の匂いを漂わせて
 ....
青い髪のターヤと、今もふたり虹の入り江で暮らす

ロック歌手であった過去の名声を捨て、女となった私にとって、砂に覆われたこの素晴らしい死の世界では、レゴリス――月の砂――は敵であり、また味方でもあ ....
 一

真夏の昼下がり。
海へと向かう埠頭をめざして
ただ、闇雲に走るのは
未知のウイルスに侵された
一匹の狂犬。

ザー、ザーと耳の奥で
鳴りつづける不気味な雑音。
熱を帯びた鼻 ....
 メデジン・カルテル(麻薬密輸組織)の殺害されたボスであったパブロ・エスコバルの弟ロベルト・エスコバル(コロンビア人)は、罷免された大統領アルベルト・フジモリと、彼の元情報部顧問ブラディミロ・モンテシ ....  天空がようやく白みはじめた夜の終わりに、緩やかな砂丘を白いターバンを巻いた少年がただひとり美しい装飾の柩を背中にのせたアジア象をつれて歩いている。沢山の花たちで飾られた柩の正体はけして定かではないが .... 血と、ローズダストの色彩が濃く染みた粗い石英の粒子。そしてジルコンを含んだ研かれた花崗岩の階段がつめたい光沢をともなって果てしなくオリンポスの山の頂から薄紫の色に滲んだ淡い雲の間にのびている。エーゲの .... 誰の手にも負えない
お前たち自身の肌寒さが
漏れ吐く息の、
ごくまぢかに訪れて

今日もくたくたの
ダンボールと引換えに
アレやコレやすべてを燃やし、
煙りながら一日が終わる

  ....
愛。それは多分に、
漠然とした表象の言葉で
ありのままの語彙ではない
――と誰かが云い

するとたちまち花は萎れた

漆黒の森に谺する
狼の吼える声におびえ
かよわき詩人らは外界を忌 ....
     一

 細かな枝をつたう幽かな震え
 桧皮色の樹皮を湿らせ
 梢を這う、自動律たる水の脈動 )))
 沁みゆく荒地の渇きへ
  一滴、
 地球システムを孕んだ涙のかたち

 ....
 むかし僕は天使だった。
 せなかにつくりものの羽をつけ、そでのすこしよごれた白い服を着ていつも母ちゃんのそばにいた。
 かがみにうつった母ちゃんの顔はまるでペンキを塗ったように白く、やけにまじめ ....
聴こえるかい? プーチン、

 /////(ノイズ)。

私は詩人たちの口をとおして
今も尚、歴史を変えることが出来る・・・・

ウラジーミルは一九二四年一月二十一日に死んだ、
旧い日 ....
昨日、往きすぎた駅――

マイホームは地図に載ってない。 )))

疲れ果てた大勢の人たちが、
十二月の憂鬱なプラットホームで
蜜柑の載った赤外線炬燵と
逃げ場のない積みあげた日々の
 ....
即興で書いた
デタラメな絵みたいに
世界を、粉々に壊して欲しい
――悪魔と死神。
そして彼らよりも、
さらに残虐非道かつ悪辣な僕・・・・

ふいに質量を奪われて
儚く、空に飛んでゆくビ ....
――夢だ、
霧氷に覆われたトパーズを砕き
経血に染まる白鳥の羽を散らして
辛気くさい柄の絨毯に零した
グラスの割れる夜の激しい物音。

イミテーションパールの首輪を、
女は掻き毟るように ....
――外国産と思しき、
ずいぶんと安っぽっちい杉板の木枠に
金槌で小ちゃな無数の鋲を打ち込み、
皺なく「ぴぃーん」と
白い亜麻布を張った
自分で拵えた七百号の白いキャンバスへ
左官が使うみた ....
ゼリー状の七色のトポスが死んだ日。――
愛しいカルメラを焦がした甘い匂いまでが
いつか知らないうちに喪に服しちまったみたいで
それは廃れた漁師町の瓦礫の打ち寄せられた海辺にも似て
今宵も古びた ....
「俺様がどれほど鮮やかな色で
みごと第一連を美しく染めたとしても
賛美の対象はあくまで作者だろが。
ふん、馬鹿らしくてやってられるかい!

こうして群青は捨て台詞をのこし
肩で風をきると、 ....
真下に拡がる海原は
厳しく削られた岩の入江を包み、
とうに半世紀を過ぎた
今しも汽笛の鳴る港へと
煌めく{ルビ漣=さざなみ}を寄せて

夏の賑わいが恋人達とともに
古い桟橋を大きく揺らし ....
渡 ひろこさんのatsuchan69さんおすすめリスト(63)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
逝く前に、鮨だ!_★- atsuchan69自由詩15*09-2-23
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人妻温泉旅館- atsuchan69自由詩13*09-1-23
偉大なる詩人の歌- atsuchan69自由詩13*08-12-25
パパの日曜日_☆- atsuchan69自由詩10*08-11-25
冬の燕_☆- atsuchan69自由詩10*08-10-18
ちゃんと御飯だった- atsuchan69自由詩30*08-10-1
ライク/あ、神への祈り- atsuchan69自由詩9*08-9-14
クローズドサーキット- atsuchan69自由詩8*08-9-2
美しき残像_☆- atsuchan69自由詩18*08-8-16
夜に咲く花_☆- atsuchan69自由詩14+*08-7-18
夏越の祓_★- atsuchan69自由詩11*08-6-22
マリー- atsuchan69自由詩15*08-5-18
ターヤ_☆- atsuchan69自由詩7*08-4-29
はじまりの四月、成就された八月。_☆- atsuchan69自由詩8*08-4-5
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シベリアン・スウィートハーツ- atsuchan69自由詩5*07-12-20
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