すべてのおすすめ
気づいたら
いろんなひとが
両手で込めて
差し入れてくれた
おにぎり
箸もつかえないくらいに
元気なくなったとき
たべるといいよ、って
おにぎり
すかすかの ....
最後の海まで 水平線まで
砂漠の広さなみの浜に足跡をつけてゆく
要所要所 風が吹いて 海がどこにあるのか
どちらへ歩けばいいのか
それでもわたしは 最後の海に着くまでに
....
渇きの奥 に
シズクが見えるのは
錯覚ではないと
しんじたい
わたしを洗って
土にかえして
そのうち雨がふって
それをごいごい吸い込んで
芽が出る
イメージ
ぐうんとせのびをし ....
ときどきわたしは きみのけいこくをわすれてしまっては
傷を縫った糸を食いちぎられる思いをする
ときどききみは わたしのおもいなくときにあらわれて
たどたどしくやわらかく、レクチャーをして ....
すべてを打ち明けたら
すべてが壊れる気がしたから
おお、すべて見えていない{ルビ徴=しるし}に
思い出の風 舞い散る
ウインストンのあこがれが
ふたりの、足元にまきつく
最後に話した背 ....
頭痛でも笑ってなごませている
乙女さを兼ね備えた剣
身を切るほど抱いていたい
かなしみ、こんにちは
すべてが、かこになる
おもいでを わらってもいい
すきとおる 君は翠
....
冷たいカプセルの中に入って
胎児のポーズで丸くなる
深い空にのぼって ゆく
導かれて
見つめあったひとの顔を
ひとつずつ撫でて
片付くまでもう少し
あなたをのこし ....
つめたくてつめたくて、それでも、ひとりで
素直すぎる君 遠くからだけ旗を振ってる
近づけない
つなぎたいつなぎたい、ゆび、解かして
かさねあう心臓 くるしい
しんじられないまま、知らない ....
あたたかな雪が
時のうろこ 一片と供に
もう一度、もういちど、と
落ちてくる
あなたの冗談は
胸に入ってるカイロのようにふんわりして
窓の中 しゅんしゅん伝う蒸気が
寂しかった空洞に
....
坂の上から冬の空
胸は高鳴って
こぼれそうになる
くも が ね
平べったくて
だけど そうに つらなってて
抱いているの?
静かに唸りながら流れる
あの日叫んで走りそう ....
朝のひかりがさし込んで
おいでよ、と
気もちのいい ハンモックが
てを招く
まよっていたさまよっていた
さ
自分のそんとくは
消すことできないよ
空ながれて
ひとりひとりが、 ....
イチゴの詰まった胸に
あこがれてしまった
しゅんかんは、あの時の少女だった
いちご、買おうか。
好きでしょう
食べない?
ぼおっとしていたら
背中に今年はじめての
ひだまり
....
波の声
かたりかけてくる
じゃまにならないように
ちかく、ちかく、とおく
足元をぬらさないくらいの
ところにぼくは
すわって
つかれてしまったよ
うずくまったよ
なにか答えてほし ....
ありがとう、と言うと
むねに少し雪のふるような
はかなくて、とけるとしゅんとなる
それはもうこのひとつに
わたしがさよならすることだから
ありがとう、この年
そして今日がすぎる
....
風のかがやきとセピアを追いかけるようにくるるるらせんを描く
あっ銀杏仲良く囁きあってるねあれは秋の置き土産なの
後にも元にも戻れない路上のニュースペイパーサクサク言って
....
*
みずいろのさかなを
凍ったうみで
凍ったうみの
その下で泳がせている
気泡の、結晶
つめたい手
掬うことのない
うたがう事もないさ
たとえばわたしたち
ストレスにまかせて
....
時の放つやさしさは
熟れすぎるまえの果実
たおれこむ前に
僕がかき鳴らす
羽根を敷けばいい
何かいわなきゃ何か。ガシャガシャカギュウ
情熱より時間の方が先回り、ちぇいすちぇいす
....
あめよ逃げないで
白々しく霧、すとおむ。影ない静かすぎてこわい
炎よりもゆらぐゆらゆららいあい今あいされない
この胚は縮こまっている
この肺は誰にすくわれる
ツェロの弾く音だけが
....
きゆうううううううがががががが
せまいせまい毛布の中で
かたまった感情を
溶かせ・とかせ
すれちがうことも
無心でおいかけるのも
からだがなければ
この下肢、裸足
つめたい
....
燃える水滴たちは
河の中で流れながら
ここにいるよと
会いたい者へ 点滅
からだで示している
ティンパニーの連打に
はねうつ 飛びうつ ....
まもれない
バイバイ、の約束
まもれない
切り出そうか迷う
えいえんの別れ、って
あるんかな
これからずっと
ずっと、の約束
まもれない
これまでだって
いつ変 ....
(そっと 音も色も立てずに
ただ流れしたたる透きとおりを
みつめている
ひたされてゆくね
僕たちはどの位
もう走れないのなら
このまま
アイニク、という
....
秋じゃなければできなかったのでしょうか
空洞は風が増すほどに
流れてゆきます
いちにちの日短さ
胸の欠けてゆくそして
焦げてゆく茜の陽
沈んでゆき夜になる前の隙間で ....
坂道 こがねいろ ころがる
足音の環と季節は
付きながら 離れ流れて
そのくらいルーズに タイトに
輪郭を捉えた空は雲がさかさま写真
覆いかぶさった君の
ため息
はみ出した哀 ....
やさしい足で走っていたら
胸まで砂の入る転びかたをした
目の前にある白く小さい手は
逆光で誰ん手か判らないまま
わたしはその手にすがろうとはしない
胸に入った砂が肺で
雑ざりあって ....
まぼろしのわたしを
まだ探している人がいるようで
それもまたまぼろしの
空気の環っかが生す群れ
拭けばガラスに付いたほこり
きえてしまうでしょ
身体にしみついた その影も
洗い流 ....
いつか来るその日のために
わたしはあなたに笑いつづける
楽しそうに笑っていると
呆れて見てくれたらそれでいい
いつか来るさよならのために
靴を履く準備をしておく
泣かないで歩け ....
紅い空に足跡
群れで飛び立つ帰りの鳥たちが
カイトを引っぱって
うごく星座の結び目たち
ゆうぐれに影の成す
シンクロのダンス
花が半ば眠りそうに
しおれていた
風が吹いても
....
電気などつけなくたってじゅうぶん明るかった
雑踏でさえも何かを叫ぶひとが皆無
熱くなるのがきっと恐いから抑制
保冷剤をどこかに忍ばせて
融けてしまったことなど知らずに
こころを切りた ....
光の綱が 交差する
あや取りみたいにくぐり抜ける毎日
そのなかに哀しみでもいい
あなたにそばにいてほしい
知らない間にねむってしまった
カーテンが揺れて、わたしを起こした
....
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