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どんな棺も
青年の死には窮屈だ
母親の嘆きも
揺籃には大き過ぎる
白い菊も
その肌には不似合いだ
彼の愛したのは太陽や風
ロックンロールや女の脚
ああ、大きな坊や達
逞しい赤 ....
それは男が汚れた靴下を脱ぐ時
それは女がきついガードルを脱ぐ時
みじめに軋るベッドの上で
広い背中を白い手指が所在なげに抱く時
愛はそれぞれに
互いを壊し満たそうと足を引きずり
見栄えのし ....
月が満ちたらわたくしから
横たわったわたくしから
真綿のサナギをそっと剥いで
露わな背中を嘗めて頂戴
ほら、あの月が満ちたら
暗夜に独り、永年独り寝の
あの蒼ざめた女神の腹が膨らんだら
....