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電線のすき間に光る欠け月
本当の私は いつも煙草を手に思いを口にしてた
風のあたたかさや
寒さ
楽しさ切なさを
今朝の風はあの日に似ていたよ 悲しみの模倣のように
冷たく
日差しゆるく
....
夕やみ歩く猫
のし
のし
人ごみと並んで歩いては
立ち止まり
都会が鼻歌まじりに風を歌うのを じっ と聞いている
夏はまだ長い
今日もずいぶんと蒸していて
建物からこぼれる冷気とごちゃ ....
夏の日差し
夏の青
真っ白な街真っ白なふるさと
だれもいない街
あれから悲しみは痛みに変わりましたか?
痛みを知りましたか?
雪の記憶の声
いえ
ひとりぼっちでただひたすら歩く ....
私の母は奇跡を起こした
汚染された体でふたりも子供を残しどちらも大人になった
母は最大の炭坑の町で生まれ育ち
彼女の父は炭坑夫で体中を癌に冒された
彼女のきょうだいもみんな癌に冒された
きょ ....
茎魚 しみています
四角い箱から低く低くを覗いていますと
狭く苦しく青く
殺されのこどもたち
泣いています
ずらり並び 爪先 しみ しみ
口開き
目潰れ
鼻潰れ
耳潰れ
....
月をしばらく凝視して
まぶたを閉じると
月は暗闇の中で影になって
そしてすぐに溶けていなくなった
街を歩けば骨と骨がぶつかりあって
地面がこすれて悲鳴を上げて
無意味な国に生まれて
....